再逮捕迫る「市川猿之助」 専門家が供述内容から読み解いた「動機の真相」と「犯行時の精神状態」
市川猿之助容疑者(47)の「再逮捕」のタイミングに注目が集まる一方で、その供述から「一家心中」をはかった当時の様子が徐々に明らかとなりつつある。しかし肝心の「動機」について、いまなお捜査関係者や専門家から疑問の声が上がり、“謎”は解けないままとなっている。
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【写真10枚】29年前、慶應大1年生だった猿之助。やはり現在とは雰囲気が全く違う
「コップに潰した錠剤を入れて水を注いだら、すぐ青色になった」
6月27日、母親の「自殺」を手助けした自殺幇助の疑いで逮捕された猿之助容疑者は、睡眠薬を両親に飲ませた際の状況について、こう話しているという。
「聴取に対して、猿之助容疑者は“以前、病院から処方された睡眠薬を両親に用意した。睡眠薬はスリ潰して、水に溶かして飲ませた”とも説明しています。実際、母親から検出された睡眠導入剤は水に溶かすと青色に変わるということで、警視庁は“供述に矛盾はない”と見ています」(全国紙社会部記者)
猿之助容疑者と母親、そして父親で歌舞伎俳優の市川段四郎さん(76)が東京・目黒区の自宅で倒れているのが発見されたのは5月18日。リビングの床に並んで横たわっていた両親には布団が掛けられ、死因は向精神薬中毒とみられている。
「母親の体内から検出された2種類の睡眠薬の成分は、猿之助容疑者の体内からも検出されており、“両親のあとを追って自殺するつもりだった”という供述とも一見、矛盾しない。警視庁は現在、“認知症の傾向があった”とされる父親の死亡に猿之助容疑者がどう関与したかについて、慎重に捜査を行っています」(同)
釈然としない「心中理由」
粛々と進む捜査の裏側で、「いまも腑に落ちない」と一部の捜査関係者から指摘されているのが「動機」だという。猿之助容疑者は「一家心中」を選んだ理由について、
「私に関する記事が週刊誌(女性セブン)に掲載されることを両親に話したところ、家族会議が行われて“みんなでさよなら”することにした」
と供述。18日に発売された「女性セブン」の記事は、役者やスタッフに対する猿之助容疑者のパワハラや性加害を告発する内容だったが、梨園関係者からは「古くから歌舞伎界でたびたび指摘されてきた問題で、とても一家心中するほどの内容とは思えない」との声がいまも漏れる。
また「捜査関係者も“疑問は残るが、両親が亡くなっている以上、供述を裏付けるものもなければ、くつがえす材料もない”と話している」(前出・記者)という。
一方で、社会心理学(犯罪心理)が専門の新潟青陵大学大学院教授の碓井真史氏はこう話す。
「率直にいって、あの週刊誌記事の公表が“一家心中”を決断するほどの出来事だったとは到底思えません。しかし同時に、猿之助容疑者が明らかな嘘をついているとも思えない」
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