売値は破格の3億3000万円「2代目宅見組本部」の実際のオーナーに浮上した「フィクサー」とは?
85歳の超VIP
「元々は地元の信組に勤務し、退職後に迎えたバブル期には金融・建設・不動産業で財産を築いたとされています。現在85歳で、関西地方で起こる厄介な土地案件には必ず顔を出すとかラスベカスのカジノでは超VIPだとか、乗っているセンチュリーは防弾仕様だとか、様々に語られています」(同)
そのK氏が、表立って宅見ビルを買えなかったのはなぜなのか?
「2006年頃、K氏は自身の子息の会社名義の土地・建物を2代目宅見組の入江組長に売却したことがあるそうです。この売買についてもK氏の名が直接出てくることがないように工作されていたようですが、表立っての行動は具合が悪いと考えていることがうかがえます」(同)
入江組長とK氏との間には、渡世の義理のようなものが存在しているのかもしれない。もっとも、伝えられるほどの資産家であれば購入に3年もかからず、もっと早く購入できたようにも見えるのだが……。
朝鮮総連本部ビル
「確かにそうですね。代金はK氏がキャッシュ一括で払ったそうですから、資金不足だったことはあり得ない。当局の目を攪乱するために時間を要したということなのかもしれませんが、いくら時間をかけても誰がカネを出しているかなどは早晩把握されることでしょうから、現実的にはダミーの買い手が見つからなかったということになるのでしょう」(同)
仲介人にも苦労があったことは想像に難くない。
「仲介人は高野山の関係者であり、企業経営者でもある。最終的には、同じ高野山につながりがある人物であることからH社の社長への売却にこぎつけたようです」(同)
権利関係が複雑な物件や、いわくつきの物件の場合、売買がすんなりいかないことは珍しくない。時には“犠牲者”が生まれることもある。記憶に新しいところでは2007年の朝鮮総連本部ビルがそれに当たるといえる。取引が問題視されて、関係者が身柄拘束までされたのだ。
「公安調査庁長官を務めたキャリアが逮捕・起訴されましたから相当なインパクトがありました。今回の件はそこまで入り組んだ話ではないとはいえ、何が起きるか、まだ予断を許さない。すんなり進まないという展開もあるかと思います」(先の記者)