売値は破格の3億3000万円「2代目宅見組本部」の実際のオーナーに浮上した「フィクサー」とは?

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公然の秘密

 3年ほど前に売りに出されていた2代目宅見組本部の売却が決まったのは、今年4月のことだった。大阪の民間企業が購入し、すでに解体も始まり、新たな商業施設が展開されると噂されているが、ここにきて、実際のオーナーは別に存在するとの話が浮上している。

 2代目宅見組本部は地上4階建て、延べ床面積でおよそ320㎡の建物で繁華街のど真ん中に位置している。売却額は約3億3000万円で、購入したのは、墓地・墓石の販売や霊園・ホテルなどを経営する大阪市内の民間企業H社だ。

「売却までに時間がかかったのは、捜査当局がその売買に目を光らせていたからでしょう。売却価格は周辺の相場からすれば破格の安さだとされており、取引に何らかの裏事情があることは公然の秘密と言われています」

 と、担当記者。

 今後この土地は、購入したH社が別会社に貸与し、商業施設ができるとも言われている。

「昔は風俗店が軒を連ねるような通りでしたが、今は観光客も足をのばすようになってきており、“宅見ビル”はかつての印象を残す最後の砦だったと言えるかもしれません」(同)

仲介人の告白

 ミナミと言えば宅見組と呼ばれた時代もいよいよ終わろうとしているわけだ。

 ここからは、記者の言葉にあった「公然の秘密」について触れることにしよう。

「実態としては、この土地をどうしても買わなければならない・買いたい人物がいるものの、表立っては動けない事情があったということになりますね」(同)

 初代宅見組組長だった5代目山口組の宅見勝若頭や、2代目宅見組の入江禎組長と何らかの利害関係があった人物が関与していることをにおわせる。

 実は今から少し前に、解体中の現場に数人の男たちが現れ、椅子・衝立(ついたて)を運び出させたことがあった。その際に彼らは、「このビル買(こ)うた者(もん)や!」と声をあげていたことが一部で話題になっている。

「売買には仲介人が存在しています」

 と、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現・NPO法人「五仁會」主宰)。竹垣氏はこの仲介人本人から話を聞いたのだという。

「実際に購入のカネを出したのは、朝鮮半島出身の企業経営者で大阪に拠点を置くK氏だそうです」

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