ヘンリー王子とメーガン妃は「被害者の物語」を捨てられるか 「28億円」巨額契約の解消で迫られるイメージチェンジ

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「詐欺師」「才能がない」「やらせ」

 ヘンリー王子とメーガン妃夫妻が英王室を離脱した2020年3月の時点から、「どうやって稼ぐのか」はすでに議論の的だった。その“答え”として同年の下半期に締結されたのが、映像配信企業「Netflix」および音楽ストリーミング企業「Spotify」との巨額契約だ。先日話題を呼んだSpotifyとの契約解消は、収入源の1つが消えたことを意味する。

 Spotifyとの契約金は2000万ドル(約28億円)と報じられているが、契約解消までに配信された番組は特番1本とメーガン妃がゲストを迎えるシリーズ(12本)、そしてそれらの予告編のみ。しかも、番組の人気はさほど高くなかったという。さらには、シリーズに出演した出演者が“やらせ”を暴露。実際にインタビューしたのはスタッフで、メーガン妃の音声は後から入れたものだと主張した。

 Spotifyの幹部が夫妻を「詐欺師」呼ばわりしたことも無理はない。それに続いて口を開いたのは、米エンタメ業界の大物だ。芸能事務所「ユナイテッド・タレント・エージェンシー」のジェレミー・ジマーCEOは、メーガン妃を「オーディオ(ポッドキャスト制作)の才能に優れていなかったことが判明した」などと一刀両断した。

 Netflixとの契約は2025年までだが、こちらも危ないのでは……と囁かれた。しかしNetflix側は「今後も多くのプロジェクトで協力する」とコメント。夫妻のドキュメンタリー「ハリー&メーガン」に続き、ヘンリー王子が創設したスポーツイベントのドキュメンタリーも配信予定だ。ドキュメンタリー以外の企画では、ディケンズの名作『大いなる遺産』のスピンオフドラマを計画中という報道はあるが、約一年前にはアニメシリーズの制作中止が明らかになっている。

 収入面のプラス要素としては、メーガン妃が芸能事務所 「WME」と契約した件がある。それもあってか、先日は「クリスチャン・ディオール」とアンバサダー契約を結ぶという噂も流れたが、ブランド側が否定した。

 夫妻にとって「才能」とは、王室離脱後の生活を支えるはずのもの。「クリエイティブな才能で稼ぐ」という意図が見える2つの巨額契約は、王室離脱前からのプランという報道もあった。その才能を否定するような出来事が続いた結果、英メディアでは夫妻の今後についての“プレゼン合戦”が盛んだ。

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