“味変ナッツ”に“信州赤系米みそなすスナック”… 尖りすぎ「プライベート・ブランド」3.0の新たな流れとは
ドンキ、PLAZAのユニークなPB
わかりやすいのが、ドンキホーテのPB「情熱価格」だ。2021年に発売した「チューナーレステレビ」は売上1億円を超える大ヒットを記録し、他からも地上波チューナーを搭載していないテレビの発売が相次いだ。24型で2万1,780円、42型で3万2,780円と通常のテレビよりも安いこともさることながら、「地上波テレビは見ないけれど大画面で動画や配信は観たい」また「NHKの受信料を払いたくない」という層に訴えかけたのが、ヒットの背景にあるとされる。
「『情熱価格』のPBはかなり“尖って”います。新作で例を挙げれば、マルコメの協力のもとインスタントみそ汁の具の茄子をそのままスナックにしたような『信州赤系米みそなすスナック』ですね。おいしいのですが、値段は税抜598円もして、かなり人を選ぶ値段ではある。前例に『しいたけスナック』がありこれも同じ値段設定なのですが、ドンキの開発者に聞くと、リピーター買いにより、15ヶ月で100万個以上を売り上げたとか。万人受けはしませんが、特定層には刺さるPB商品です」(渡辺氏)
8月には渋谷に、PBだけを扱う「ドミセ」なる店舗もオープン予定。PBへの注力のほどがうかがえる。
日用品のPBでは“19歳の女性”に向けた商品を展開するPLAZAのPB「PLAZA BASICS」が注目だ。
「2月に発売したロゴ入りのスライダーバッグは、小さいサイズ40枚入りと大サイズ30枚入りの展開で、どちらも税込550円です。スライダーバッグだけならばほかに安い商品はありますから、人によっては高い!と思うかもしれません。でも実は、発売2週間で棚から商品が消える売れ行きだった。“刺さる”層には刺さるPB商品であるわけです。同じ値段のハンドワイプはその点、わかりやすいかもしれません。機内食についてくるような小分けのウェットティッシュが24枚入って550円で、ちょっとしたお土産や差し入れに添えて渡す需要がある商品です。これもそういう習慣がない層には響かない、刺さるところには刺さる商品ですね」(渡辺氏)
製造のみを担うメーカーとは異なり、客目線に立った商品開発ができることが、こうしたPBの魅力であり強み。これからもユニークなPB商品が各社から登場しそうだ。