「マイナはデジタル弱者をはじき出す制度」 オンライン機器導入で「廃業」の病院も
“俺は国会議員だぞ!”
麻生派に所属する自民党の高野光二郎参院議員(48)が、昨年末に地盤である高知県内の居酒屋で秘書を殴打し、流血させたと報じられた。それが原因で6月16日には辞職を表明。この高野氏、もともと河野大臣の父である河野洋平元衆院議長の秘書だった。
13年に参院議員に初当選した後は河野大臣の側近として振る舞うことが多かったという。
「河野さんは高野さんが結婚するときの仲人を務めていて、弟分のような関係でした。派の親分である麻生太郎さんは河野さんに対し、仲間を増やすため“派内で飯を食え”と指導しています。その際、高野さんが幹事役となって食事会を開くことがあり、他の議員からは“なんでお前が”と敬遠されていました」(麻生派関係者)
敬遠されるのは当たり前。高野氏は秘書への暴言やパワハラが日常茶飯事だったのだ。
「秘書に対し、気に入らないことがあると、書類を投げつけるくらいは当たり前で、“殺すぞ”“あごカチ割るぞ”と脅すこともありました。ある時は赤坂の路上で酔った高野さんの体が通行人と接触して激高。“俺は国会議員だぞ!”と叫び、トラブルになったことも。そんな無茶苦茶な人ですから、退職する秘書が続出していました。今回の事件を受け、派内では改めて“河野さんにはろくな側近がいない”とささやかれています」(同)
河野大臣自身への苦言も。
「河野さんの“弱点”は、イラつくと官僚を怒鳴り散らすことなんです。ワクチン担当大臣だった時が顕著で、デジタル大臣になってからは我慢していたものの、最近は国会対応に追われてイライラが募っているみたいで……。あの悪い癖が出ないといいんですが」(官邸スタッフ)
人気に陰りが
政治アナリストの伊藤惇夫氏は、
「マイナンバーをめぐる河野大臣の一連の対応には、批判を拒絶するような発言が目立ち、世論の人気という点では陰りが見え始めているように思えます」
と、バッサリ。
「マイナカードにここまで不信感が高まると、保険証を予定通り廃止できるのか、疑問が湧きます。日本はマイナカードに公金受取口座も保険証も運転免許証も一本化する方向に向かっています。この点については一度立ち止まって考え直した方がいいのではないでしょうか」
世界を見渡すと、アメリカを始め、デンマーク、オーストラリアなど、ICチップ付カードを発行していない国は多々ある。
前出・デジタル庁関係者が指摘する。
「いま、役所で“カードが必要かどうか”を問題提起する人は当然いません。ただ、10年前にマイナカードを議論している頃は経産省などから“カードに依存しなくてもいいのでは”という声も聞こえてきました。スマホではできないかなども検討されましたが、個人認証の問題などさまざまな条件が整わず、結局実現しませんでした」
ならば、せめてマイナ保険証だけは――。いまこそ改革派を自称する河野大臣の腕の見せ所であろう。
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