バイトが全員「単発」の居酒屋って大丈夫? 動画で仕事のポイントを勉強
サラリーマンの街として知られる東京・新橋のガード下に5月、居酒屋がオープンした。名前は「THE 赤提灯」だ。1階に足を踏み入れると立ち飲みスタイルのカウンターがあって、2階が椅子席。店内に入ると、「いらっしゃいませ!」と元気よく声を掛けられる。まずは生ビールで渇きをいやしながら、メニューを見る。
【写真を見る】店員が「スキマバイト」だけの居酒屋に行ってみた
ここまでは居酒屋ならよくあるパターンなのだが、店は“普通”ではない仕組みになっている。
「『THE 赤提灯』は、アルバイト仲介アプリを手掛けるタイミーという会社と飲食店を運営するミナデインが共同で開業している店舗なのです。店員は6人おり、ミナデインの社員2人を除く4人は“スキマバイト”で集まってきた人たちです」(飲食ライター)
スキマバイトとは、いわゆる単発のアルバイトだ。「半日だけ働きたい」「数時間だけ働きたい」という人に人気があって、あまり経験は必要とされない仕事が多い。だが、ここは居酒屋。調理から接客、会計などの仕事をこなすことができるのか。
「『THE 赤提灯』の場合、未経験者でもすぐに接客できるように、まず動画で仕事のポイントなどを教えてくれる仕組みになっています。また、あいさつの仕方など約30項目をまとめたチェックシートがあって、事前にそれを読めばスムーズに働けるようになっています」(同)
仕事のパッチワーク化
実際、オーダーしてみると1回だけミスがあったが、そこは目をつぶるとして、接客態度は丁寧である。それでも、ひげもじゃ男や入れ墨のある人が応募してきたらどうするのだろう。
タイミーに聞いてみると、
「事業者が働き手に求める条件を求人に記載することができ、条件を満たしていない場合は事業者側からキャンセルすることも可能です。今回『THE 赤提灯』の求人の条件に“ひげやタトゥーはNGです”と記載していますので入れ墨の方はお申し込みいただけない求人となっています」(広報担当者)
千葉商科大学准教授で働き方評論家の常見陽平氏が言う。
「ご存じのように日本は人口減で人材を確保しにくい社会になっています。居酒屋だけでなく、夕方だけ働きたい、数時間だけ働きたいという“仕事のパッチワーク化”はこれからも進むでしょう」