詩人・斉藤倫が「最初の記憶」として思い出す「曾祖父の背中で耳にした歌」

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人生最初の記憶

『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』などで話題を博し、近刊『ポエトリー・ドッグス』は各メディアで取り上げられるなど、、多くのひとの心をつかむ詩人・斉藤倫さん。幼い頃、曾祖父の背中で耳にしたあのメロディーを、忘れることができなくて……。

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 人生最初の記憶は?という質問がよくあるけど、ぼくには、きまってひとつの歌が聞こえてくる。

 うまれてから3歳くらいまで、曾祖父母のところにいた。

 影のこごった日本間の、棚のうえにテレビがあって、表面張力みたいに丸くせり出したブラウン管は、むこうがわのせかいがこぼれ落ちそうに見えた。...

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