猿之助事件のカギを握る母と子の愛憎劇 「未成年強制性交」の捜査はどうなる?

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右團次へのバトン

 さらに猿之助には別の懸念もあった。警視庁のある捜査幹部によれば、

「猿之助は『女性セブン』に書かれた性加害以外にも複数の“前科”があったようです。実は、これらの被害者の中にはまだ幼い10代の未成年者も含まれているといいます。そんなことが露見すれば強制性交等罪にも問われかねない一大事。家族会議でそのことが議題に上ったかどうかは分かりませんが、猿之助が焦ったのは事実でしょう」

 生まれ変わりを信じ、人生をリセットしようとした猿之助一家。一人死に損なった息子が“被疑者”として拘束されることになろうとは、両親は想像すらしていなかっただろう。

 だが、本当に想定外だったのは「段四郎」「猿之助」という中心的な存在を一度に失った澤瀉屋に違いない。

 これからの一門を率いる人物として、猿之助のいとこにあたる「市川中車(香川照之)」(57)や、その息子「市川團子」(19)の名前が挙がっているが、先の上村氏は、

「團子さんはまだ若いですし、中車さんも歌舞伎界にデビューして10年と日が浅い。歌舞伎ファンの間では、澤瀉屋を離れた市川右團次さん(59)に中車さんや團子さんへのバトンをつないでほしいと思っている人も多いんです。右團次さんは亡くなった段四郎さんの兄で中車さんの実父でもある猿翁のもとで芸を学んできた人。中車さんの歌舞伎デビューで澤瀉屋を離れることになりましたが、右團次さんの協力を待ち望む声もあるようです」

 梨園の歴史に刻まれることになった澤瀉屋の事件。果たして猿之助の口から真相が語られる日は来るのだろうか。

週刊新潮 2023年7月6日号掲載

特集「『猿之助』逮捕の裏の裏 事件のカギを握る母と子の愛憎劇」より

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