驚異の本塁打量産! 大谷翔平がオールスター出場で心配されているたった1つのこと

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バッティング覚醒の秘密は「1インチ」

 そんなルーティーン以外にも覚醒の理由はあった。バットを昨季よりも「1インチ」だけ長くしたという。

「重さは変えていません。グリップの太さ、材質も去年のまま」(関係者)

 1インチ、約2.54cmだけ長く――大谷の感性がそうさせたそうだ。もともと、低めのボールを捉えるのは得意だった。また、体に近い内角球をフルスイングし、スタンドに叩き込んできた。しかし、外角球に関しては外野手の間を抜く長打は出ても、「ホームランになりにくい」と感じていた。バットをほんの少し、長くすることで外角球に対応できるようになり、高めのボールにも力負けしなくなったという。

「今、大谷のフィジカルに対する興味が高まっています。筋肉の話をすると、二刀流は矛盾する部分があるそうです。打者として飛距離を求めたら、上半身に筋肉をつけて腕周りも太くしなければなりません。でも、投手として速いボールを投げ続けるには、筋肉で太く重たくなった腕を振り続けることは負担でしかありません。その両方が進化し、かつホームラン量産体制に入った今季、大谷の肉体にも関心が向けられています」(前出・米国人ライター)

 もう一つ、米国ファンが注目しているのは、球宴前日に行われる「ホームラン・ダービー」に大谷が出場するのかどうかだ。2021年、大谷はホームラン・ダービーに初出場し、一回戦で敗れている。同年後半戦の打撃成績の失速はこのホームラン・ダービーが原因とされており、エンゼルスのフィル・ネビン監督(52)も慎重な物言いだった。

「ホームラン・ダービーに出ると、力でスタンド・インを狙うので打撃フォームを崩す」

 というのが大方の意見である。

「17年、ヤンキースのアーロン・ジャッジはホームラン・ダービーに出て優勝しましたが、同年のシーズン後半はスイングが大振りになり、不振に陥っています。以後、ジャッジは選ばれても出場辞退の意向を示してきました」(前出・同)

 もちろん、栄誉なことなので「出たい!」と言う選手も少なくない。「一昨年のリベンジを!」と話すエンゼルスの球団スタッフも多いそうだ。だが、ネビン監督は6月29日、大谷のホームラン・ダービーについて言及し、「既に断っていると思う。ホームラン・ダービーは選手にとって負担が大きい」と、出場について否定的な見解を示した。「一昨年、大谷は賞金15万ドル(当時約1650万円)を受け取りました。彼はその賞金 全額を約30人のチームスタッフに日ごろの感謝として、 分けているんです」(現地関係者)

 トレーナー、広報、職員、球場スタッフ、クラブハウスの裏方などに配られたそうだ。ちなみにだが、エンゼルスの裏方スタッフは約30人。15万ドルを30人で分けたら、一人あたり約55万円の計算だ。今年のホームラン・ダービーの優勝賞金は100万ドル(約1億4150万円)である。

 禁止薬物に頼らない記録更新、肉体のヒミツ、バットのマイナーチェンジ、そして球団スタッフへの心配り。量産体制に入った大谷のホームランにさまざまな夢が重なっているようだ。

デイリー新潮編集部

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