ロシアはもはや近代国家ではない…プリゴジン反乱ではっきりしたプーチン政権の正体
“ヨーロッパ最後の独裁者”と呼ばれる、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領(68)。6月27日、彼はロシアの民間軍事会社ワグネルの受け入れを表明。創立者のエフゲニー・プリゴジン氏(62)も空路でベラルーシに到着したと発表した。
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共同通信は6月28日、「ベラルーシ、部隊受け入れ 周辺国から懸念相次ぐ」との記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。記事によると、ワグネルに救いの手を差し伸べた理由について、大統領は次のように説明したという。
《ワグネルに国内で放棄された基地を提供し、必要な支援を行うと述べた。部隊に対しては慎重に監視を続ける考えを示す一方、戦闘経験は「価値がある」と評価。自国軍を強化する上で得るものがあるとの認識を示した》
ワグネルがなぜロシアで反乱を起こしたのか、依然として理由は明らかになっていない。とはいえ、反乱は厳然たる事実だ。その首謀者であるプリゴジン氏をロシアは処罰できず、隣国への“逃亡”を許してしまった。
少なからぬ専門家が、プリゴジン氏は依然として暗殺される可能性があるとは指摘している。しかしながら、現時点で既にウラジーミル・プーチン大統領(70)のメンツは丸潰れだ。政権の弱体化を意識した人は多かったのではないだろうか。
米ソ東西冷戦研究の第一人者で防衛大学校名誉教授の佐瀬昌盛氏は、「指摘する専門家が皆無なのは意外ですが、ワグネルの肥大化を許した時点で、ロシアは近代国家たる条件を喪失してしまったのです」と指摘する。
「近代国家の原点は絶対王政です。強大な権力を持つ王が官僚制と常備軍を活用して国家統一を果たしました。国内に諸公が乱立し、それぞれが私兵や傭兵を擁した状態は封建制であり、近代以前の時代です。プーチン大統領は正規軍とワグネルの併存を許し、一本化することができませんでした。これでは藩が乱立し、激しい戦争を繰り広げていた日本の戦国時代と何も変わりません」
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