閉経後も女性ホルモンを代替、前立腺がん予防など! 明らかになった大豆の「奇跡の健康効果」
“縮小するニッポン”において胸を張れることは残念ながら多くはない。それでも私たちには誰はばかることなく誇れるものが存在する。和食の要たる奇跡の食材、科学的エビデンスに基づいた驚愕(きょうがく)の健康食品――。「食と健康」の専門家は言う。やっぱり大豆はすごい!
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右肩上がりの時代は終わり、将来に向けて何かと暗い話題が多いご時世です。しかし、こと「食」においては、いま日本人は極めて幸運な環境にあるといえるかもしれません。
なぜなら、私たちには「大豆食文化」があるからです。
〈こう力説するのは、東京大学大学院農学生命科学研究科特任教授で同大名誉教授の佐藤隆一郎氏だ。
食品生化学、脂質生化学を専門とする佐藤教授は、長年、「食と健康」をテーマに研究を重ねている。そして医療費の増大に歯止めがかからないなか、食によって健康寿命を延ばすことこそが、長寿大国にして「医療費大国」でもある日本の課題であると説いてきた。
そんな佐藤教授が、「健康食材」としてとりわけ強い思いを寄せ、自身も好んで食してきたもの、それが大豆である。〉
和食を支える主要な食材が大豆
世界に誇る「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されてからちょうど10年がたちました。いまでは地中海食と並んで和食のヘルシーさは世界で広く礼賛されていますが、よく考えてみると和食の何がヘルシーなのか、当の日本人もあまり自覚できていないのではないでしょうか。
和食を支える主要な食材、それは大豆です。豆腐、みそ、醤油、油揚げ、湯葉、納豆、きな粉。和食に欠かせないこれらのものは全て大豆製品です。つまり、和食のヘルシーさのある部分は、大豆によってもたらされているといえます。
それでは、大豆のどこが素晴らしいのか。これもまた、なんとなく「大豆は体にいい」と分かってはいるものの、具体的に何がどう食材として優れているのか、詳しく理解できている人は多くないでしょう。そこで改めて、和食の肝ともいえる「大豆のすごさ」を紹介したいと思います。
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