“常勝関西”で「維新」とガチンコ対決「公明」全敗の危機 党関係者が「14年前の悪夢の再来」を恐れる理由
日本維新の会と公明党が「創価学会の牙城」とされる関西を舞台に、初めて全面対決する見通しとなった。激戦が予想される一方で、“イケイケ維新”の勢いに、早くも公明党関係者からは「悲鳴」に似た声が上がっている。
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6月25日、日本維新の会は次期衆院選で、公明党の現職議員がいる大阪・兵庫の6選挙区に公認候補を立てる方針を決定。馬場伸幸代表は来たる衆院選を野党第1党を目指す「最大のヤマ場」と位置付け、全国289ある小選挙区のすべてに候補者を擁立する構えだ。
「維新は看板政策だった『大阪都構想』実現のため、これまで公明党に協力を求め、その見返りとして6選挙区での候補者擁立を見送ってきました。しかし都構想は2度の否決で事実上とん挫したことに加え、4月の統一地方選では維新が大阪市議会で初の単独過半数を獲得。公明党に配慮する理由が一切なくなりました」(全国紙大阪府政担当記者)
これにより2012年の衆院選以来、長らく続いてきた両党の「棲み分け」は解消することになるが、突然の方針転換に公明党内には激震が走っているという。公明党関係者の話だ。
「いまの維新の勢いは“比例区で1000万票獲得”を目標に掲げた2000年代初頭の公明党の勢いをしのぐほど。まともにぶつかり合っても“勝ち目はない”との声が上がっている」
「常勝関西」の実情
公明党は昨年夏の参院選で「比例選800万票」の目標を掲げたが、結果は同618万票にとどまった。22年の衆院選から約93万票減らし、「非拘束名簿式」が導入された01年以降で最も少ない得票数となった。
「つまり比例でいま以上の議席を獲得するのはもはや難しくなっているということ。その代わりに“小選挙区で新たに議席を取る”という方針に舵を切ったばかりのタイミングで、維新と全面対決の構図になった。議席を増やすどころの話ではなくなり、おまけに主戦場が“絶対に負けられない”関西とあって、混乱に拍車をかけている」(同)
公明党は21年衆院選(選挙区)で9人を当選させたが、うち6人が「党勢を左右する最重要拠点」と呼ばれる関西に集中。具体的には大阪3、5、6、16区と兵庫2、8区が戦いの舞台となる。ただし公明党が前回、次点にダブルスコアの差をつけて圧勝したのは大阪5区と兵庫8区のみ。次期衆院選の公認候補から外れた北側一雄・副代表の地盤だった大阪16区では、2位と1万2000票差の“薄氷の勝利”だった。
「維新の比例票と比較しても、大阪では公明現職議員との得票差は1~2万票程度に過ぎません。大阪3区に限っては3000票差を切っており、すでに接戦が必至の情勢です」(前出・府政担当記者)
背景には、支持母体であり、選挙時には実働部隊となって得票を支える創価学会信者の高齢化や組織の弱体化が挙げられるが、「それ以上に深刻な問題」が関西では起きているという。
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