西武が“暗黒期”突入か…主力流出に高齢化、不祥事多発で「長期低迷」の危険性

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近年相次ぐ選手の“不祥事”

 もう一つの原因が外国人選手の不振だ。かつてはカブレラやマクレーン、ホセ・フェルナンデスら、複数年にわたって主力として十分な活躍を見せていた外国人野手がいた。しかし、ここ数年はほとんどの選手が短期間でチームを去っている。最後の“当たり”外国人選手としては、エルネスト・メヒアが挙げられるが、そのメヒアも4年目の17年以降は大きく成績を落としており、高額な複数年契約は失敗だったと言えるだろう。

 今年も、マキノンがホームランをそれなりに放っているものの、打率は低く、もう1人の新外国人野手であるペイトンは5月以降、二軍暮らしが続いている(6月26日現在)。他の球団も近年は外国人選手に苦労しているが、ここまで毎年のように選手を入れ替えながら結果が出ないというのは、西武の外国人選手に対するスカウティングに問題があると言わざるを得ない。

 また、前述したように山川は不祥事で離脱しているが、近年、スピード違反や未成年選手の飲酒など、西武の選手に不祥事が多い。

「本拠地の近くに遊ぶようなところがないため、どうしても都心の繁華街に出るケースがあると羽目を外してしまうということもあるのではないでしょうか。西武は以前と比べて球団としても自由な雰囲気が強く、ある程度外で遊んでいても野球をしっかりすれば良いという風潮が強いと聞きます。そのことがプラスに働くこともありますが、不祥事が多いのもそんなチームの雰囲気が原因の一つにあるのかもしれませんね」(前出のスポーツ紙記者)

 かつては厳しい管理野球で一時代を築いたが、近年は豪快に打ち勝つ野球が持ち味となっており、自由な雰囲気のチームを作ったのも伸び伸びとプレーできる環境が一因としてあったはずだ。しかし、これが、相次ぐ主力の流出や選手の不祥事などに繋がる部分があったことも否定できないだろう。

 果たして、西武球団と松井監督は一連の問題を解決し、“暗黒期突入”を防ぐことができるのだろうか。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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