西武が“暗黒期”突入か…主力流出に高齢化、不祥事多発で「長期低迷」の危険性

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スタメンが固定できない状況

 確かに、秋山はメジャー挑戦を経て、NPBの復帰先として西武ではなく、広島を選んだ。引退間際で復帰した松井稼頭央と松坂大輔を除けば、主力として西武のユニフォームを再び袖を通した選手は皆無に等しい。

 長年チームを支えてきた中村剛也や栗山巧は今年揃って40歳となり、1年を通じての活躍は難しくなっている。主砲の山川穂高は、女性問題を巡る不祥事によって欠場が続いており、スタメンが固定できない状況となっている。これだけチームの中心となる野手が抜ければ、得点力が下がるのは当然だろう。

 ただ、西武の主力選手流出は今に始まったことではない。これまでも投手では工藤公康、松坂、涌井秀章(現・中日)、岸孝之(現・楽天)、菊池雄星(現・マリナーズ)、野手では清原和博、松井、和田一浩、中島裕之(現・巨人)らが球団を去っているが、それでも低迷することなく、常に優勝争いに絡むチームであり続けた。

 しかしながら、今年の戦いぶりと、シーズンオフにエース・高橋光成が、ポスティングシステムでメジャー移籍を直訴する可能性が高いことからも、西武が“長期低迷”に陥る危険性が高い。

“投手偏重”のドラフト戦略

 こうした危険性を生み出した原因は、主力流出への備えが遅れてしまったことではないだろうか。これを象徴しているのが“投手偏重”のドラフト戦略だ。2013年には1位で森友哉、2位で山川を獲得して、ともにチームの中心選手となった。

 一方で、高校生と大学生、社会人などを区別なく指名する「統一ドラフト」に戻った2008年から、19年までの12年間で、森と山川を除けば、ドラフト2位以内で指名した野手は、09年2位の美沢将(14年に引退)と17年2位の西川愛也しかいない(※15年2位の川越誠司は入団当時、投手)。

 浅村、秋山、外崎脩汰、源田壮亮といったドラフト3位入団選手が活躍しており、「西武の3位指名野手は成功する」と言われているが、やはりもう少し上位で多くの野手を指名しておく必要があった。

 ようやく2020年に渡部健人、昨年は蛭間拓哉と古川雄大を上位指名で獲得しているとはいえ、これだけ投手偏重のドラフトをしていれば、野手の主力が抜けた時に苦しくなるのも当然だろう。

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