西武が“暗黒期”突入か…主力流出に高齢化、不祥事多発で「長期低迷」の危険性
かつての“山賊打線”は鳴りを潜め
ロッテ、オリックス、ソフトバンクの3球団が熾烈な首位争いを繰り広げている今年のパ・リーグ。その一方で、昨年優勝争いを演じた西武が苦しんでいる。4月終了時点では「貯金2」とシーズンの滑り出しは決して悪くなかったものの、5月以降は早くも失速。6月には7連敗を喫し、セ・パ交流戦でも単独最下位に沈むなど、楽天と最下位を争う苦しいシーズンとなっている。【西尾典文/野球ライター】
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特に、深刻なのが得点力不足だ。チーム得点190(6月26日終了時点)は、パ・リーグ最下位で、かつて“山賊打線”と恐れられた迫力はすっかり消えている。
大きな要因は主力の流出と高齢化だ。過去5年間を振り返ってみると、炭谷銀仁朗、浅村栄斗(ともに現・楽天)、秋山翔吾(現・広島)、森友哉(現・オリックス)が相次いでフリー・エージェント(FA)で移籍している(※炭谷は巨人にFAで移籍後、楽天にトレード、秋山はメジャーを経て広島に移籍)。
「条件面はもちろんですが、意外と大きいのは本拠地の問題ではないでしょうか。ベルーナドームのある埼玉県の所沢市は、関東にある他球団の本拠地に比べて、明らかに都心から離れています。地方の球団と比べても、ここまで“田舎”なのは、日本ハムの新本拠地である北広島市くらいです。ベルーナドームでのホームゲームよりも、同じ埼玉県内でアクセスの良い県営大宮球場(さいたま市)で開催した試合の方が、観客動員が多いという現象が起こっています。球場や練習施設をリニューアルするなどして球団も努力はしていますが、立地だけは何ともしがたいところですよね。『選手は野球が仕事だから関係あるのか?』と思うかもしれませんが、家族を持つと奥さんの要望なども当然、出てきます。一度西武を離れて戻ってこない選手が多いというのも、こうした背景があるのではないでしょうか」(在京スポーツ紙記者)
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