小田急線刺傷事件裁判 対馬被告が語った「パン工場夜勤」「コンビニバイト」の困苦 「周りは何不自由なく暮らしているのに僕だけが不幸」

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日本刀でカップルを“首チョンパ”することを夢想

 このほか、派遣で家電量販店や通販サイトの倉庫作業、ライブ会場の設営など、仕事を転々としてきたと語った対馬被告。

 3月に生活保護を受けてからは1、2カ月、家に引きこもって、動画を観て過ごしていたが、5月からは万引きに手を染めるようになった。そのきっかけを問われると、こう語った。

「ちょっと新宿あたりを散歩しにいって、ゴールデンウィークで周りが賑やかで私一人がぽつんと一人であてもなくそこにいるのが惨めな感じがして、それが怒りに変わって、お店に入って飲み物を万引きしてしまいました」

――怒りだけで万引きを? お金は払えなかったの?

「確かに生活保護費はありましたが、100円200円でもすごく惜しかった気持ちと、レジが離れたところにあって会計が面倒だったので」

 そんな荒んだ生活を送るうちに、電車内で油に火をつけて無差別大量殺人事件を起こす自分を夢想するようになったという。電車以外にも、

「スクランブル交差点に爆弾を落としたり、日本刀でカップルを“首チョンパ”したり、考えました。特定の人物を階段から突き落としたり、燃やしたりも考えました」

――どうして?

「周りの人は僕から見たら、何不自由なく暮らしているなと。たとえ悩みを抱えても現実と上手く折り合いをつけてやっている。僕だけ不幸だなと。僕だけ割食っている。自分だけ貧乏くじを引いた。それが歪んで世の中への憎しみに変わっていったと思う。あらゆる人が幸せに見えて、同じ空間にいても僕だけは一枚隔てている、世の中が灰色に見える。そんな感じです」

 弁護側が事件に影響したと主張している双極性障害について問われると、26歳から通院していると話した。

「気分の浮き沈みが激しい。いても立ってもいられなくなって、夜中、近くにバスケをしに行ったり、知人に連絡を取って飲み会を主催したり。お金もパーっと使ってしまう。鬱の状態になると、寝たきりになって風呂も入らなかったり……」

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