認知症不明者“10年で倍増” 「警察犬」大活躍も 「近い将来、急激に頭数が減る可能性」
雨が降っても大丈夫だが…
警察犬による行方不明者の捜索は、どのように行われるのか。
「行方不明者が出たら、まずは人(警察官)が捜索を行います。それでも発見に至らなかった時に、警察犬に出動依頼があります。そのため、警察犬が捜索を開始するまでにはタイムラグがあり、6時間後に出動依頼が来たら早い方です。その間に雨が降るなどすれば、足跡臭気といって、地面についた臭いが流れてしまっていることがあります」
臭いが残りにくいアスファルトの道路も警察犬が苦手とするもののひとつという。しかし、そんな状況でも力を発揮するのが、警察犬のすごいところだ。
「警察犬は、たとえ足跡の臭いが途切れてしまっても、空気中に残る浮遊臭気を頼りに捜索することが出来ます。臭いを識別する機械の研究も進められていますが、実用化には至っていません。警察犬の担う役割は大きいのです」
一方で、警察犬の弱点は夏の暑さだという。
「歩き回って捜索するので、夏の暑い日だと熱中症に注意が必要です。外気温が30度ならば、地表温度は70度以上になることもあります。そんな温度では、地面に鼻を付けて地表の臭いをもとに捜索することもできません」
警察犬には、苦労が増えるこれからの季節。ご褒美をたっぷりあげて欲しいものだ。
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