喜熨斗孝彦容疑者の逮捕で「猿之助」の名跡はどうなる? 「廃業でも裏方仕事なら十分ありだとは思いますが」

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團子に教えられる人材がいない

「当代の猿之助が四代目で、新しい名跡ということもありますが、事実上、初めて途絶えることになります。もっとも、團十郎でいえば、当代の十三代目團十郎白猿(45)は9年ぶりの襲名でしたし、十二代目團十郎(1946~2013)は20年ぶり、十一代目團十郎(1909~1965)は59年ぶりだったように、間が空くことは珍しいことではありません」

 團子の猿之助襲名はいつになるだろうか。

「猿之助のように、あれほど歌舞伎が好きで、歌舞伎のために生きた人はいませんでした。誰もが当然、彼が後見人となって團子を育てるものだと思っていました。その猿之助が突然いなくなったことで、團子を育てる人材も見当たりません」

 一部では團十郎が後見人になるという報道もあったが、

「ちょっと考えられません。父親の中車は古典ができませんし、三代目の子飼いだった右團次(59)や猿弥(55)ならば、演目に応じては教えることも可能ですが、総領としての帝王学を教えられるのは猿之助以外にいません。先代も先先代も猿之助は優れたプロデューサーであり演出家でもありましたから」

 澤瀉屋の将来にも不安が生じている。とはいえ、猿之助はまだ47歳と若い。もし廃業したら、彼はその後どうなるのか。

「歌舞伎に関わる気持ちがあるのならば、演出やスーパーバイザーとして本名の喜熨斗孝彦で裏方に回る可能性もあります。古典もよく知っているので、歌舞伎関係者もそれを望むと思います。ですが、それもこれも本人の意思次第……。彼が今、何を考えているのかが知りたいです」

デイリー新潮編集部

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