おもちゃ市場が初の1兆円超え! 「消える魔球」が懐かしい「野球盤」は3D化、「人生ゲーム」には「投資王」が登場

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進化を続けるレトロゲーム

 日本玩具協会は2022年度の日本国内における玩具市場について、売り上げが対前年比で6.7%増の9525億円に達したと発表した。カプセル玩具を加えると初の1兆円超えとなる。少子化、コロナ禍と逆風が吹きまくっていたはずだが、巣ごもり需要をキャッチして市場は着実に拡大。各社が発売するおもちゃもなつかしいゲームの進化版から先端技術を投入した知育玩具まで多様化している。「東京おもちゃショー2023」で最新おもちゃ事情をのぞいてみた。

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 昭和のおもちゃを代表する、エポック社の「野球盤」。1972年(昭和47年)発売モデル搭載の「消える魔球」に夢中になった“巨人の星”世代の方々は少なくないはず。転がる球をゴロで打ち返す平面のゲームしか知らない方が最新モデルを見ると驚愕するのは間違いない。

 銀色のボールの見た目は昔と変わらないけれども、投手が投げる球は宙を飛び、打球も本当にフライやホームランになる。球速や配球表はデジタル表示。9コースのストライクを投げ分けるなど複雑な配給も可能。そんな3D野球盤となっているのだ。ただし、消える魔球も健在というあたりは往年のファンの心をくすぐることだろう。

 この野球盤に再び注目が集まったのが、今年3月。侍ジャパンのWBC優勝を受け、対前年比200%超えの売り上げを記録。文字通り店頭から商品が「消えた」そうだ。

 もう一つの昭和の大ヒットゲームも世相を反映して進化した。タカラトミーの「人生ゲーム」である。職業カードには、「大人気動画クリエイター」や「投資王」などに交じって「国際弁護士」も登場。昨年ニューヨーク州の弁護士資格を取得した小室圭さんの影響か。「人生ゲーム」は発売55周年で、今回の最新作は8代目だという。

 昭和後期のヒット作、ルービックキューブも進化を遂げている。正六面体から凸凹状になり、より難しくなったのだという。日本で大ブームになったのは1980年。その後もヴァージョン違いが次々発売されて、根強い人気を誇っているようだ。

 レトロゲームが劇的な進化を遂げたという点では、平成の大ヒット商品、バンダイの「たまごっち」もリニューアルされた。96年(平成8年)発売当時、女子高生を中心に大ブームを巻き起こした。“デジタルペット”を育成するという基本機能は同じだが、今年発売の新モデル「たまごっちUNI」は新たにWiーFiを搭載。たまごっちのためのメタバース「Tamaverse」に出掛けると、世界中のたまごっちと交流をはかれるほか、次々にアップデートされるイベントやゲーム内ゲームに参加し、アイテムをゲットできるという。

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