リニア嫌いの川勝知事は“ご乱心” 「誤った珍説を披露するのはどうか」「風説の流布」「反省してないってことですよね」「そろそろ無理筋と気付いたら」会見で記者から前代未聞の集中砲火
山梨県知事は批判
諦めない静岡県は、森貴志副知事(66)が6月13日午前に山梨県庁を訪問。長崎知事とボーリング調査の問題について意見交換を行った。
そして同日午後1時、長崎知事は定例記者会見で静岡県との議論の内容を問われ、次のように答えた。
《私から申し上げたのは、「静岡の水だ」「山梨の水だ」と、この議論は我々としては受け入れがたいと、このことははっきり申し上げました》
《山梨県の水」「静岡県の水」という議論は迷惑千万なのでやめてくださいと、こういう話をいたしました》
山梨県と静岡県の対立は先鋭化した、と誰もが思っただろう。午後2時頃、今度は川勝知事が定例記者会見に出席。記者から山梨県庁での会談について訊かれると、川勝知事は電話で報告を受けたと明かし、長崎知事は「よく分かった」と理解を示したという。
だが長崎知事は、《受け入れがたい》、《迷惑千万》という強い口調で静岡県を批判したはずだ。すぐに記者は反論した。1時間前に長崎知事の会見が開かれ、《山梨県としては受け入れがたい》と厳しい反応を示したことを説明した。
川勝知事は「長崎知事が仰ることはもっともだ」と述べながらも、その後の説明は迷走を続けた。最後は「一貫して山梨県知事は同じことを言われております。私どもも一貫して同じことを申し上げている」と意味不明の発言で締めくくった。
二転三転の主張
たまらず記者は川勝知事に確認を求め、「議論自体を長崎知事は受け入れがたいと仰っているんですけれど、今後も専門部会でも『静岡の水か山梨の水か』って議論は続けるおつもりでしょうか?」と質問した。
川勝知事は「世界的な共通理解として、水は誰のものでもない」と発言。「水は動いていますから、そういう議論は成り立つとはいえ、基本的な考え方としては水はみんなのものであり、同時に誰のものでもある、誰のものでもない、という性質のものではないかと思っています」と続けたが、これも“言語明瞭、意味不明瞭”の発言だった。
別の記者が再度、「山梨県で出た水も静岡県の水だという主張は、もうしないということでしょうか?」と確認に挑んだ。
これに川勝知事は「しません」と即答した。色めき立った記者は多かったかもしれない。何しろ本来は部外者である静岡県が、山梨県で行われるボーリング調査に異議を申し立てることが可能だとしたら、それは「山梨県側で湧き出る地下水は、静岡県の地下水だ」という主張が事実の場合だけだ。
記者は「知事は山梨県内でのボーリング調査は黙認するのだろう」と判断したのかもしれない。続いて記者は「(山梨県側から県境を越えて)静岡県内でもボーリング調査をするべきではないのか?」と質問した。
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