「自動車にかわる生産物」が作れない日本 40年以上前の懸念が現実に(古市憲寿)
「ポツンと一軒家」というテレビ番組が成立するくらい、僻地にも家はある。山奥とまでいかなくても、列島中に家は点在している。日本における住宅地の面積は1975年に79万ヘクタールだったが、2020年には120万ヘクタールまで増加した。
この住宅地の拡大は自動車の普及なしにはあり得なかった。今でこそ「車離れ」が叫ばれる時代だが、戦後日本で自動車がもたらした変化は計り知れない。
たとえば文明レベルが同程度で、自動車だけがなかった世界を考えてみよう。...