筒香嘉智、「原巨人」では移籍が実現しない本当の理由 DeNAも白旗揚げる“人物”による「たった一つの可能性」

スポーツ 野球

  • ブックマーク

“坂本離脱”で巨人の打線強化は切実

 3球団の中でも巨人は打線強化が切実だ。6月23日の広島戦(マツダ)でリーグ戦再開早々、坂本勇人が右太もも裏肉離れで抹消となり、長期離脱は避けられない。5月に同様の負傷を負った中田翔も同25日に途中交代するなど、万全ではないようだ。

 トップを走っていた阪神の勢いに陰りが見え、首位戦線に乗り込む機運が高まりつつあっただけに、強みにしてきた攻撃力の低下は避けたい。内外野こなせる筒香は補強ポイントに合致するのだ。

 それでも、さるセ・リーグ球団編成担当によると、原辰徳監督が指揮を執る間は筒香の巨人移籍の可能性はほぼゼロだという。

「他の日本のFA選手にみられたように、筒香は原さんが編成権を含め、強大な権限を持つチームだから敬遠しているわけではない。原さんとの(希薄な)関係性の中では、いくら勧誘されてもアメリカでプレーを続けることのモチベーションに勝ることはないだろう。巨人に来るとすれば、阿部(慎之助=ヘッドコーチ)が監督に就任し、彼が獲得を目指したときしか考えられない」

同じ“左の強打者”の阿部への憧れと敬意

 筒香は日本時代、同じ左の強打者だった阿部の打撃に憧れ、手本にしてきた。対戦した試合前には打撃論に花を咲かすこともあった。

「(2015年の)オールスター戦のホームラン競争では阿部に投手役を務めてもらい、優勝している。阿部の引退時には『リスペクトしかない』と敬意を示すなど球団の枠を超え、深い関係を築いていた」(DeNAのチーム関係者)

 阿部ヘッドコーチは言わずと知れた巨人の次期監督の最有力候補だ。原監督の任期は来季までで、順当なら来オフの昇格が見込まれる。万が一、今季の成績不振などで原監督に不測の事態が起きれば、今オフにも1 年前倒しで就任することもあり得る。

 DeNAもチームの元主砲である筒香の動向は注視してきた。ネフタリ・ソトは3 年契約最終年の今季、成績が芳しくない。このままなら契約延長はないもようで、筒香が守れる一塁の定位置は空くことになる。

「DeNAは、ソトが退団すれば筒香が来てもポジションがダブついて起用に困るということはない。ただ、筒香と阿部の関係を切り崩すのは容易ではないと思う。過去、村田(修一)、梶谷(隆幸)、山口(俊)らDeNAから巨人の移籍は多かった。DeNAファンには免疫があるだろうから、筒香は古巣を裏切ったなどという反感をさほど気にする必要もないので」(前出のセ球団編成担当)

 しかし、この編成担当は、いずれにしても7月までの筒香の巨人移籍はなく、阿部監督が誕生し、そして獲得に乗り出したときに初めて筒香は本腰を入れて検討すると見立てている。オールスター戦後の「起爆剤」に期待する一部の巨人ファンの願いが叶うのは、早くても今オフを待たなければならないようだ。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。