「テレビ局に圧力をかけたことはない」 大崎洋前会長が“最後のインタビュー”で明かした「吉本興業」退社劇の真相

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「どうして」「そこまでして」と聞いてきた「松本人志」

 東京進出を果たした明石家さんま(67)や島田紳助(67)を裏方として支え、ブレークする前のダウンタウンを見いだしたことで知られる吉本興業ホールディングスの前会長・大崎洋氏(69)。今年5月には4月の役員会で会長職を退任していたことを公表し、6月29日の株主総会で取締役からも退き、46年務めてきた吉本に別れを告げる。そんなエンタメ界の大立者である大崎氏が、「週刊新潮」の取材に対し、芸人たちとの直近のやり取りから、苦労した不祥事対応の裏側まですべてを明かした。なお、吉本所属の立場としてはこれが「最後のインタビュー」となる。

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「『俺、吉本辞めるわ』って、ダウンタウンの松本くんに言ったのは、今年の5月ごろでした。『BSよしもと』の収録前、二人きりになったので、5分くらい話しようかって声かけた。その後、相方の浜田くんにも直接電話をしました」

 と、大崎氏はダウンタウンに退社を告げた時のことを振り返る。

「まぁ、俺は辞めるけど、今後の吉本を頼むと。直接二人にそうは言いませんでしたけど、40年来の付き合いだから分かってもらえたと思っています。なにせ彼らが高校出た頃から、もう朝晩ずっと毎日一緒でした。コントや漫才を延々と作っていたけど仕事がなく、ご飯もお金もない。俺も本社から嫌われていた窓際社員で経費も使えず、これから何しようかと三人で途方に暮れていた。そんな頃からの仲なんで……」

 大崎氏の「退社告白」を聞かされた二人の反応はどんなものだったのだろうか。

「松本くんには、『どうして、そんなに急に辞めるんですか。万博の仕事、そこまでしてやりたいんですか』と聞かれました」

いつ死んでもおかしくないという覚悟

 大崎氏は吉本退社後、「大阪・関西万博催事検討会議」の共同座長として、2年後に開催される「大阪万博」に尽力することが決まっている。

「片や電話で話した浜田くんからは『松本はなんて言ってました』って言われたんで、『お前と同じことを言われた』と話したら笑っていましたよ。とにかく二人には、俺はもう決めたから。まだ元気やといっても、もうすぐ70歳で一区切りやし、ええねん、ええねんと押し切る形で話をしました」

 こう語るように、古希を迎えることが大崎氏にある「覚悟」をもたらしたのだという。

「さすがに70歳は、いつ死んでもおかしくない年齢ですよね。“ちょっと前まで元気だったのに……”とか、よく聞くじゃないですか。それなりの覚悟をしとかなきゃいけない。そういう思いから本(今年3月に出版した『居場所。』)を書いていたら、自分の中で一区切りついたのも事実です」

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