リブゴルフとPGAツアーが和解も課題山積 モナハン会長が「手のひら返し」で最大の批判の的に

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 米国拠点のPGAツアーと欧州拠点のDPワールドツアーが「リブゴルフと和解」「統合に合意」と発表されたのは、6月6日(米国時間)の朝だった。発表はPGAツアーのジェイ・モナハン会長の名前による文書で発せられたのだが、それを目にし、耳にした人々の大半は、3つのツアーが仲良く手を取り合って歩んでいくゴルフ界の平和な未来を想像したのだと思う。しかし、「どうやら、そうではないらしい」という見方は瞬く間に広がっていった。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】

共存の道はない理由

 米スポーツイラストレイテッド誌のマイケル・ローゼンバーグ記者は「今後、PGAツアーとリブゴルフが共存していくことはまずない」と言い切っている。この私も、彼と同じ意見である。

 そもそも3つのツアーの合意のように発表されたものの、その交渉に関わったのはモナハン会長を含めたPGAツアーの3人とリブゴルフを支援するサウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」のヤセル・ルマイヤン会長だけだったと見られている。

 つまり、交渉の場にDPワールドツアーは含まれてはいなかった。しかし、PGAツアーとDPワールドツアーは戦略的提携を結んでいるため、後者が前者に全権を委任したと考えることはできる。

 一方、リブゴルフのグレッグ・ノーマンCEOが交渉から疎外され、何一つ知らされないまま合意に至ったこと、そしてルマイヤン会長が今後のリブゴルフの統括をモナハン会長に委ねたことを知れば、「ノーマンCEOの役割は終わった」「リブゴルフは形骸化されていく」と考えるのが妥当であろう。

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