「帰国すれば逮捕されて前線に送られる」 ロシア人留学生が明かす難民申請の悲嘆
「ロシアで僕を待つのは刑務所への収監か、ウクライナ戦争の最前線です」
都内に住むロシア人のボリス・ソコロフ氏(25)=仮名=は、悲痛な表情で訴える。
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「来日は3年ほど前。地元の大学を卒業後、ゲームやアニメのデザインを学ぼうと専門学校に留学しました。昨年3月、僕は就職活動の傍らSNSに“この戦争は無意味。戦場に送られる若者が死ぬばかりだ”と書き込んだのです」
プーチン大統領の言う“特別軍事作戦”は、在日ロシア人にも衝撃を与えた。
「どう考えても侵略行為。駆り出された多くの若者が命を落としており、どうしても納得できなかった」
「法的にはロシアに帰らなくてはならない」
ソコロフ氏がロシア政府への怒りを書き込んだのは「フコンタクテ」という“ロシア版フェイスブック”だ。
「投稿は3回ほど。10人ほどから“君はロシアにいないじゃないか”“自分は逃げているくせに”と批判的な書き込みが寄せられました」
その後、専門学校は無事に卒業したものの、就職先には恵まれなかった。
「職に就いていれば留学ビザが就労ビザに切り替わって日本にいられた。ビザが切れたいま、法的にはロシアに帰らなくてはなりません」
いまもロシア政府は、メディアや国民の声に厳しく目を光らせる。その一つが〈フェイクニュース及び大量情報の自由の濫用に関連する法令〉。ソコロフ氏を支援する在日ロシア人が言う。
「政府や軍、軍人の侮辱や、帰還兵の名誉・尊厳をおとしめることを取り締まる法律です。実際はプーチン批判を封じ込める目的で、逮捕されて有罪判決を受ければ15年以下の懲役です。極めて恣意的な悪法ですが、プーチンは法改正を繰り返して圧力を強めています」
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