坂本勇人が右足太ももを肉離れ 自転車のチューブを患部に巻いて出場した記憶が【柴田勲のセブンアイズ】
原監督の焦りが見えた
1番を誰にするかだが、坂本の代役はいない。原辰徳監督は坂本離脱後、重信慎之介、オコエ瑠偉を起用していたが、相手チームの投手の左右を考え、また各選手の調子を見ながらの起用になるだろう。遊撃手は門脇誠、中山礼都らを使ってしのいでいくしかない。
これまでは走者をためてゴーンと一発で得点してきた。それもなくなってきた。しかもタイムリーでなかなか点が取れない。
中田は本塁打を打ってこその中田だが、一時期に比べると落ちてきた。秋広優人も選球眼の良さが影を潜めて、ボール球に手を出すようになってきている。巨人は岡本和、丸佳浩、そして坂本の三人がそろってこそ、だ。
その岡本和はチーム全体が悪くなると、本人も悪くなる傾向がある。4番の責任感からオレがオレがと気負って力む。ヘッドが出てこない。体全体で振る。ボール球を追いかける。悪循環に陥ってしまう。
原監督にも焦りがあるのではないか。25日の試合、1点差を追った9回に大城卓三が安打で出塁した。代走に増田大輝を送った。中山は強攻して二ゴロ併殺打に終わった。
一気に同点、逆転を狙ったのだろうが、まず同点に追いつくことが最優先だったろう。普通に考えたら送りだったのではないか。
大勢は本当に「疲労困憊」か?
24日、3点を追った8回、中山が代打で登場して安打で出塁した。この無死一塁から若林晃弘が一、二塁間をゴロで破ったが、中山は二塁で止まってしまった。
次に何が起こるか。常に想定し、頭に入れておくことが肝要だ。例えば最近はフォークを多投する投手が多くなった。ショートバウンドしパスボールになることが多くなった。
いつも備えていれば始めの第一歩が違ってくる。こんなこと、岡本和や中田はやってくれと言っても、やってくれない。自分の役割はなにかを考える。実行する。1シーズンを通して徹底すればだいぶ違ってくる。
25日は抑えの大勢がベンチ入りを外れた。原監督は「疲労困憊(こんぱい)」と説明していたが、毎試合、毎試合投げているわけではない。まだ23歳、一番いい年ごろだ。おそらく不調だろう。疲労というなら高梨雄平の方がよっぽど疲れていると思う。大勢をかばっての言葉ではないか。
心配は不要だ。すぐに出てくる。
巨人は正念場だ。27日からは秋田・盛岡でヤクルト2連戦だ。ここは負けるわけにはいかない。みんなでカバーして乗り切るしかない。連勝して広島戦負け越しのイヤなムードを振り払ってもらいたい。(成績は26日現在)
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