ドラフト戦線に異常あり? 大学生は“空前の大豊作”なのに、スカウトが「即戦力が少ない」と指摘する理由

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青学エースには「ドラ1候補」の声も

 大学野球の頂点を決める全日本大学野球選手権は青山学院大の18年ぶり5回目の優勝で幕を閉じた。決勝で明治大を完封するなどMVPに輝いた常広羽也斗は早くもドラフト1位という声も多い。【西尾典文/野球ライター】

 それ以外にも、投手では下村海翔(青山学院大)、村田賢一、蒔田稔(ともに明治大)、滝田一希(星槎道都大)、古謝樹(桐蔭横浜大)、上田大河、高太一(ともに大阪商業大)。野手では上田希由翔(明治大・三塁手)、辻本倫太郎(仙台大・遊撃手)、中島大輔(青山学院大・外野手)がスカウト陣へのアピールに成功した。

 また、今年は春のリーグ戦で優勝を逃したチームにも早くから上位候補と言われている選手が多く、大学生のドラフト候補は近年稀に見る“大豊作”と言われている。7月に開催される日米大学野球選手権に出場する「侍ジャパン大学日本代表」の26名が発表されたが、そのうち4年生が21名を占めている。

 その一方で、筆者が取材を進めると、スカウト陣からは“気になる評判”も聞こえてきた。それは1年目から一軍の戦力となる、いわゆる「即戦力」が意外に少ないのではないかというのだ。どういうことなのか。

「常広と細野晴希(東洋大)は目玉候補だと思います。2人とも素材の良さは間違いありません。将来的には先発ローテーションに入る可能性も十分にあるでしょう。ただ1年目から一軍で活躍できるかと言われれば疑問ですね。常広は故障歴があり、先発として活躍したのは今年の春季リーグだけ。まだ体が細く、体力作りは必要です。一方、細野はコントロールにばらつきがあり、良い時と悪い時の差が大きい。今のままでは、プロ入りしても早い回に崩れる試合が多くなると思います。彼ら以外にも楽しみな大学生の投手は多いですが、プロのレベルはここ数年でどんどん上がっているので、いきなり一軍でバリバリ活躍できる選手はいないでしょう」(パ・リーグ球団スカウト)

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