娘の友だちに“欲望をかきたてられて”2度目の不倫 42歳夫が「みんな僕が口説いたと思っている。それが悔しいんです」と話す理由

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香奈さんからの「折り入って相談が」

 半年ほど前、香奈さんから「折り入って相談がある」と言われた。他の人には知られたくない話だと聞いて、彼は香奈さんが予約してくれたレストランの個室へ赴いた。

「彼女の話は家族のことで、両親が離婚しているのだが長年会っていない父親から連絡があった、と。母が病気になってしまったので心細さもあり、父と会ってみたいのだがどう思うかというきわめて個人的な相談でした。ただ、レストランを出たあたりから急に頭がぼうっとしてきたんですよね。彼女に支えられて歩いたのは覚えているんだけど……気がついたらホテルにいたんです」

 自分が彼女に何かしたのか、はっきりしない頭を抱えて考えてみたが、記憶は定かではなかった。

「僕が目を覚ましたのに気づいた彼女が、『私、性的に未熟でごめんなさい』というようなことを言ったんですよ。それで僕はすっかり自分が何かしてしまったんだと思い込んで。そこで彼女から抱きつかれて、そういう関係になってしまった。もともと惚れ込んでいたわけですから、その現場で帰ることなんてできなかった」

 この話は、香奈さんから純子さんの娘に伝わり、純子さんも怜子さんも知るところとなった。とたんに職場も、純子さんとの関係もギクシャクした。純子さんの娘には「バカじゃないの」と言われたという。

「ただ、そのとき純子の娘が言ったんですよ。『あの子は極端なファザコンだから、気をつけないとはめられるのよ』って。前の会社でも同じようなことをして、相手の家庭を破壊し、会社を辞めたらしい。言っておいてくれよと思いましたよ。『大ちゃんが、あんな簡単な手に乗るとは思わなかったんだもん』と」

「恋は事故みたいなものですよね」

 純子さんはもちろん、前妻の怜子さん、純子さんの娘からも総スカンを食らった大祐さん。会社設立当時からの仲間にも「いくらなんでも」と言われている。

「今、うちはちょっと大きな仕事を抱えているんです。8月にはそれが一段落するので、そうしたら僕の処遇を考えようということになっていて……。香奈は、会社を訪れた純子と大ゲンカ。『私はあんたを訴えることができるんだからね』と純子に言われて、香奈は泣きながら『ちゃんとした夫婦でもないくせに』と言ったものだから、純子は激怒。 香奈を殴ってしまったんです。見ているだけで胸が痛くなりました。怜子は冷ややかな目で僕を見ていましたが」

 香奈さんには退職金を上乗せして辞表を出してもらった。大祐さんは香奈さんに薬を盛られたと確信しているが、証拠がないのでいかんともしがたい。すぐにふらふら女についていくからよと純子さんに怒られ、さすがに言い訳もできなかった。

「恋は事故みたいなものですよね。時間をかけて育む恋もあるだろうけど、香奈に対しては本当に心身ともに欲望をかきたてられてしまったんです。そこへもってきて、あんなシチュエーションになったら逃げられないじゃないですか。でも怜子も純子も、みんな僕が香奈を口説いたんだと思ってる。それが悔しいんですよ」

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