「実は売られたケンカは買うタイプ」の岸田首相が解散を思いとどまった本当の理由とは?
どこかで解散も
報道各社が行った直近の世論調査で、岸田内閣の支持率が軒並み下落した。首相の長男で秘書官だった翔太郎氏に関する不祥事や、マイナンバー制度をめぐるトラブル対応への不手際が影響したことは間違いなさそうだ。一連の調査結果発表よりも一足早く岸田文雄首相は「今国会での解散」を否定していたわけだが、その理由はどこにあったのか?
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各社の調査によれば、内閣支持率は5月に比べて4~12ポイント下落し、不支持率が支持率を上回るメディアもあった。
結果的には解散を回避した判断がとりあえずは良かったということになりそうだが、そもそも解散風が強まっていく中、首相はどんな思いで情勢を見つめていたのだろうか。
「ウクライナ電撃訪問やG7広島サミットを経た後、首相の胸のうちに“どこかで解散も”という選択肢があったことは間違いないと思います。与野党から、けしかけたり挑発したりする声がかなりあがったことも、実は売られたケンカはわりと買うタイプの首相にとって選挙モードを駆り立てる要因になったと見られています」
と、政治部デスク。
長年の支持層でさえ
「解散は首相の専権事項」と断りを入れつつ解散について言及する自民党幹部もいたこともまた岸田首相の神経を逆撫でしたことだろう。
それでも岸田首相は解散を選択しなかった。
「長男・翔太郎氏の不祥事やマイナンバーを巡る不手際が、鎮火するどころか炎上を続けていたことは、その理由として取り沙汰されていますね。確かにこの種のトラブルやスキャンダルはないにこしたことはなく、逆風の中で選挙をしない方が良いわけですが、問題としてそこまで深刻なものではないと官邸側は見ていました。首相が頭を下げて“長男には猛省をさせる”“マイナンバーはとにかく拙速だった。申し訳ない”と言えば、それなりに落ち着く類の問題かなという解釈ですね」(同)
岸田首相がそこまで事態を楽観できていたのかは別として、それ以外に解散に打って出ることができない理由があったということか。このデスクは、もっと本質的な問題があるのだ、と言う。
「例えば首相肝いりの政策として異次元の少子化対策が打ち出されていますが、これにどれだけの国民が共感できているでしょうか。食材や原材料の価格は右肩上がり。電気料金も同様。でも原発の多くは止まっている。地方の経済は疲弊したまま。それなのに、少子化だけをクローズアップして、目を向けて欲しいと訴えても、長年自民党を支持してきた人でさえ“自分たちの生活で精一杯だよ”と言っていましたね」(同)
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