「マイナ保険証を使わない人への嫌がらせ」 マイナ推進なら「保険証廃止」で医療情報の「誤ひもづけ」問題も
トラブルが続発
総理の期待を背負い、河野大臣は就任当初から、「マイナカードの普及に取り組みたい」と、ツイッターフォロワー数約266万人という強みを生かし、マイナカードの利点について発信してきた。
だが、そうした河野大臣の発言とは裏腹に、目下、続発するトラブル。例としては以下のようなものがある。
・コンビニで住民票の写しなどを受け取ったところ、別人のものが交付された
・マイナポイントが別人に誤付与された
・公金受取口座に家族名義の口座が約13万件登録され、別人の口座が748件誤登録されていた
・マイナ保険証に別人の情報が約7300件誤登録された
・他人の年金記録がひもづいて、マイナポータルで閲覧できる状態だった
別人の保険証情報が
これらについて、ITジャーナリストの三上洋氏が解説する。
「マイナポイントの誤付与問題では、自治体での端末操作でログアウトせずに、次の人が操作してしまったために起きた人為的ミスでした。住民票の誤交付については、システムを提供した富士通Japanのプログラムミスによるもの。家族口座への誤ひもづけは銀行口座のカナ氏名とマイナカードの漢字氏名を照合できなかったことなどが原因でした。一言で言うと政府が急がせすぎた結果、こうした問題が起きてしまったのです」
さらに「デジタル時代のパスポート」であるはずのマイナカードが、アナログな「人の手」によって運用され、誤った情報がひもづいている例も多い。
その典型として、別人の保険証情報がひもづいてしまったケースが挙げられるだろう。これまでに判明している約7300件のうち、7114件は協会けんぽ(全国健康保険協会)によるものだ。
協会けんぽは中小企業で働く従業員やその家族が加入する保険である。なぜ、この保険者で誤登録が多発しているのか。協会けんぽの担当者が言う。
「2018年度にマイナンバー未登録の方に対し、“マイナンバーを出してください”というお願いをさせていただきました。ところが、事業主から加入者の情報を送っていただいた際、事業主側で確認せず、加入者のナンバーが間違っていたというケースがありました。それが7114件なんです。マイナンバーってすごく危ないという意識があったようで、事業主も加入者の番号を見てはいけないと、チェックしなかったのだと思います」
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