ソウル市議会に「犬食禁止」の条例案が提出 背後にペットバラエティにも出演の尹錫悦大統領夫人
食事がのどを通らなくなった…残虐な光景
筆者はかつて外国に居住し、韓国人が犬を食べるという理由で非難を受けた経験がある。文化の多様性は尊重すべきだが、人間と共存する犬を殺して食べることには納得できない、という外国人の視線に反発できなかった。食犬は筆者の親の世代では一般的だったが、数年前からは若者だけでなく全年齢層で食犬を嫌悪し、根絶すべきだという声が高まっている。
韓国人は中国の影響で犬を食べはじめた。犬肉は体にいいといわれているため、真夏にはよく犬を食べた。しかし、盗んだ犬を劣悪な環境で育て、電気ショックで殺したり、野球バットで殴ったりするなど、残忍な殺し方をすることも多い。さる地方都市を訪れた際、50代の男性たちが、犬の首にロープを巻いて鉄棒に引っかけて殴り殺し、その後で食べる光景を筆者も見たことがある。数日間、食事がまともにのどを通らなかった。
犬肉が人間の健康増進に役立つ効果も検証されていない。食犬農場から救助された犬が日本やアメリカなどに送られて元気に暮らしているというニュースも韓国内で伝えられている。「国家の恥をこれ以上さらしたくない」というムードが高まって、食犬はますますそっぽを向かれつつある。いまや食犬食堂は人通りの少ないところで細々と営業している。
ファーストレディーは食犬を終息させると公言している。これまでうやむやになっていたこの問題も、終わりに向かいつつある。