駐日ジョージア大使「優先席」騒動 正論で撃破された「“マイルール”バカ」につける薬はない

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 ジョージアのティムラズ・レジャバ駐日大使が電車の優先席に座ったことをツイートしたことから、ちょっとした騒動が勃発し、レジャバ氏の人気が高まることとなった。本稿では日本に巣くう「マイルールバカ」と、彼らがいかに邪魔な存在かを記してみる。

真っ当な正論を

 元々ツイッターフォロワー数が15万人に上っていたレジャバ氏は、ジョークのセンスも抜群で『大使が語るジョージア 観光・歴史・文化・グルメ』(星海社新書)という本まで今年発売するほどではあったが、今回の“優先席騒動”により、その人気がさらに高まった。この件をめぐってABEMA TVにも出演するなど、ますますその活躍の場を広げている。現在のフォロワー数は約23万人に達している。

 同氏の卓越したセンスは、ABEMAのスタッフからスタジオがあるテレビ局と大使館の往復にハイヤーを手配します、とオファーされたものの、「電車の話をするなら電車で行きます」と答えたところにも表れている。

 さて、そもそも今回の騒動のきっかけは、レジャバ氏が電車の優先席に座って読書する様子をツイッターに投稿したところ、「優先席は必要な人のために空けておくべきもの」「他の席が空いていればそちらに座るべき」といった批判が寄せられたことにある。

 これに対し、同氏は「大切なのは、必要とする方が来たときに率先して譲る精神です」と極めて真っ当な正論を述べ、さらに、同氏の妻が妊娠中や乳幼児を連れていた時に優先席を譲られた経験は一度もないと述べた。空いていたら座っても構わないでしょう、私は必要な人が来たら譲るに決まっているでしょう、と主張するのだ。

日本らしい空気

 こうした大使の意見に「その通り!」「毅然としてカッコイイ!」「優しい!」といった絶賛の声は多数あったものの、批判派は譲らない。こんな趣旨のツイートがあった。

<優先席にどっかりと座っている外国人に、日本人が「席を譲ってください」なんて言えるわけがない。優先席を必要とするお客が乗ってきたら、すぐに察知して譲ってくれるの?>

<彼が座っていると、外見では分からないけれど、優先席を必要とする人が困ってしまう。反省してほしい>

 もう、ここまで来たら「健康な人が優先席に座るのは悪」というマイルールの押し付けだし、ひとつ目のツイートなど「屈強な外国人男性は怖いし、この人、譲るようには見えない」という差別と同氏の人格否定である。ふたつ目については、「この男は必要な人に譲らないだろうに貴重な優先席を占拠する不届き者! 反省しろ」と解釈できる。

 もはや嘆息モノである。いかにも日本らしい「空気」が作り出したイチャモンをつけられて大使も気の毒だ。

 優先席の趣旨は、まさに大使が言う通り「必要な人には譲る」である。海外の電車に乗ると、優先席がない場合でも高齢者や妊婦が近付いてきたらサッと席を立って譲る姿をよく見る。レジャバ氏は、通常の席に座っていても高齢者や妊婦が近付いたら譲るタイプであろう。それは普段の同氏のツイートを見ていれば分かる。

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