魔の9回、疲労困憊、配置換えの連続… 難題を抱えている岡田阪神は首位を守れるのか

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青柳の復活はチームを活性化させるのか

 昨季までの2年連続最多勝投手・青柳は6月14日のソフトバンク二軍戦で6回1失点と好投し、近日中の昇格も予想されている。復調すれば、シーズン中盤で失速したチームの起爆剤にもなってくれるはずだが、二軍降格が決まった5月19日の試合後だった。岡田監督は7失点KOとなった青柳のことを質問されると、

「(打席に立った相手の)ピッチャーに打たれへんかったら、勝ち投手やで? ならんでよかった、勝ち投手に。いや、もうええわ、青柳の話はもう…」

 と、珍しく感情をあらわにした。青柳は対戦した広島の先発・玉村昇悟(22)の適時打を浴び、同点に追いつかれた。その後、広島が勢いづき、試合も落としたのだが、この時点では単なる1敗。しかし、青柳が二軍降格となった同試合がシーズンのターニングポイントになりそうだ。

「岡田監督は青柳のピッチングスタイルに一抹の不安を抱いていました。走者のいない場面でもクイックを使ってタイミングを外すこともするんですが、岡田監督の眼には『クイックでコントロールを乱している』と映っていました。青柳は多くを語ろうとしませんが、悩んでいるようです」(球界関係者)

 両者の関係を不安視する声も聞かれた。その代役として一軍でブレイクしたのが、村上頌樹(25 )だ。村上は青柳の弟分であり、自主トレもいっしょに行う仲。村上が5月の月間MVPに選ばれたときも「村上さんに何か買ってもらおうかな~」と、記者団の前でおどけてみせた。

 指揮官から不信感を抱かれ、代わりに見出された弟分が脚光を浴びたとなれば、青柳の胸中は複雑だろう。

「先発で調整していた岩貞祐太(31)、及川が中継ぎに戻り、リリーフだった富田蓮 、ビーズリーは、シーズンが始まってから先発の調整を始めました。西純矢(21)は先発ローテーションに入っていたのにリリーフにまわり、また先発での調整を開始しました」(前出・在阪メディア関係者)

 計算していた選手の故障や不振もあったが、岡田監督でなければ「迷走」と言われてもおかしくはない配置換えの連続だ。青柳との行き違いなど小さな綻びが隠し切れなくなり、9連戦の過労で一気に瓦解したとも言えなくはない。

「5月は出来過ぎの分がちょうどこれ、何かこうなあ、そんな巧くいかんねんから野球って。ちょうどその反動が交流戦に入って(出た)。俺は借金3つでよういったと思うよ。3つじゃあ、もう御の字よ。今のチーム状況からいったら」

 交流戦終了後、岡田監督はそう言った。口調は冷静だったが、早めにチームを立て直さなければ、その言葉もただの強がりになってしまうだろう。

デイリー新潮編集部

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