魔の9回、疲労困憊、配置換えの連続… 難題を抱えている岡田阪神は首位を守れるのか
独走態勢を狂わせたのは雨
6月23日のペナントレース再開を前に、阪神・岡田彰布監督(65)が試行錯誤を続けている。最初に苦しい胸中を明かしたのはセパ交流戦最終戦後の18日だった。岡田監督は「ええやろ?」と、平田勝男ヘッドコーチ(63)のほうを向き、ボヤくような口調で合意を求めた。
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翌19日、球場施設に現れた平田ヘッドが説明してくれた。
「疲れを取るっちゅうことよ」
交流戦が明けた翌日から2日間、連休を取ることにしたのである。阪神は交流戦を7勝10敗1分けで終えた。黒星先行は4年ぶりである。敗因は救援投手陣の崩壊、さらに突き詰めれば、タイトスケジュールによる疲労困憊によるものだ。
「2位・DeNAとのゲーム差は2.5まで縮められました。23日から再開されるペナントレースではいきなり両チームが対戦するので、その結果次第では首位陥落の危険性もあります。岡田監督はオールスターゲームに出場しそうな阪神選手が多いことも心配していました」(在阪メディア関係者)
岡田監督はペナントレースが再開されるまでの間、19、20日を連休にした。シーズン中に続けて休むと、打撃面で調子を狂わせてしまうケースもある。異例の措置に踏み切ったのは、「選手たちの疲労度合いが想像以上にひどい」と判断したからだろう。
阪神の独走態勢を狂わせたのは、「雨」だった。6月2日に予定されていた千葉ロッテ戦が雨天中止なり、その代替日が5日の月曜日に組み込まれた。
「2日から4日までの千葉ロッテ3連戦が予定通りに行われていたら、5日は単なる移動日でした」(前出・同)
しかし、5日の代替試合は“最悪”となってしまう。延長12回まで進んでも決着がつかず、2対2の引き分け。5時間07分にも及ぶ消耗戦となり、阪神選手たちが甲子園球場を出たのは深夜0時を過ぎた後だった。翌日午前10時、伊丹空港発の飛行機に飛び乗り、楽天モバイル球場に直行して練習、18時の試合開始を迎えた。結果は惨敗だった。
また、2日が雨天中止となった時点で9連戦となることは分かっていた。岡田監督は試合前のフリー打撃を練習メニューから外すなどしたが、楽天投手陣の前に単発6安打、得点は初回に挙げた1点だけだった。
試合後、4打席ノーヒットに終わった3番・ノイジー(28)と5番・佐藤輝明(24)、得点好機で代打起用されたものの空振り三振に終わった、森下翔太(22)について聞かれると、岡田監督は、
「疲労? 関係ないやろ。ちゃんとストライク打ってるのは前へ飛ぶんやから」
と、吐き捨てた。不甲斐ない打線に怒っていたが、9連戦が進むにつれ、その怒りがボヤキに変わっていく。
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