いじられキャラ「あばれる君」の際立つ存在感 本来の性格と芸風の重要な関係とは
若手芸人界でも屈指の「イジられキャラ」
体を張ったロケ番組などでよく見かけるピン芸人のあばれる君は、いまやテレビで欠かせない存在になっている。そんな彼がブレークのきっかけをつかんだのは、2010年代の前半頃だった。
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その頃は、お笑い界にとってなかなか厳しい時代だった。テレビではネタ番組がほとんどなく、バラエティの企画も高齢者向けのものが多くなり、無名の若手芸人が世に出るためのチャンスとなるような番組がほとんどなかった。
芸人のキャラクターや芸風にもいろいろな種類があるが、そんな状況の中でも通用しやすいのは、どちらかというと「イジる人」よりも「イジられる人」だった。新しくテレビに出てくる若手芸人は、大抵の場合、すでに出ている先輩芸人たちを相手にすることになる。
そこでは、先輩たちから文句を言われたり、無茶ぶりをされたり、隙を突いてツッコまれたりすることで笑いが生まれることが多い。つまり、イジられる要素の多い芸人ほど、当時のバラエティでは通用する可能性が高かった。
そんな時代の中で、若手芸人界でも屈指の「イジられキャラ」として人気を伸ばしていたのがあばれる君だった。彼は坊主頭と鋭い目つきがトレードマーク。表情はいつも硬くこわばっていて、緊張しているような感じがある。
TBS「日10☆演芸パレード」(2012~13年)、日本テレビ「ぐるナイ」(木曜夜8時)などで披露した1人コントで注目されたのが、世に出るきっかけとなった。
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