激増する「国際ロマンス詐欺」の犯人は“ナイジェリア”にいた! 現地で直撃した詐欺犯の告白「これはサービス業なんだ」

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“アフリカ訛りの英語”

――日本国内で被害者の取材を続けるなかで、詐欺師とのやり取りの音声を聞いた水谷さんは、相手が“アフリカ訛りの英語”を話していることを知ります。それがナイジェリア取材のきっかけとなったんですね。

 そうです。詐欺師は“アズニー”を名乗り、米・カリフォルニア州ロサンゼルス在住のエンジニアという設定でしたが、彼の英語にかすかな訛りを感じました。それまで取材で、“国際ロマンス詐欺”の犯人は、その多くがナイジェリアやガーナなど、西アフリカを拠点に活動していると聞いていたんです。犯人の声を聞いた時に、それが裏付けられたように感じました。

――ナイジェリアでの取材はいかがでしたか。

 私が衝撃を受けたのは、「国際ロマンス詐欺」が、現地の若者の間では想像よりもはるかに広く浸透していた事実です。

 ナイジェリアでは、ロマンス詐欺だけでなく、ネットを介した様々な詐欺を働く者たちを“ヤフーボーイ”と呼び、彼らがラップを歌う動画がYouTubeにもアップされていました。すでに逮捕されていますが、なかには大金を得て有名インスタグラマーになっていた者もいます。

 ただ、私がナイジェリアで調べた限りでは、日本人をターゲットにしている詐欺犯には出会えませんでした。ナイジェリアの詐欺師たちがターゲットにしているのは、アメリカが圧倒的に多く、次いでイギリス、オーストラリアあたり。英語圏で言葉の壁がないからでしょう。とはいえ、いまは翻訳アプリが優秀なので、日本語でも騙すことも十分可能になっています。

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