激増する「国際ロマンス詐欺」の犯人は“ナイジェリア”にいた! 現地で直撃した詐欺犯の告白「これはサービス業なんだ」
半数以上は男性の被害者
――被害者は女性だけではないのですか。
最近の国民生活センターの統計によると、国際ロマンス詐欺の被害者は男性が57%を占め、女性よりも少し多いんです。しかも、男性の方が周囲に被害を打ち明けない傾向にあります。実際、男性の被害者取材は難しいですね。女性よりもプライドが邪魔をしているからか、冷静に被害を振り返りづらい雰囲気を感じました。
――単純に金を騙し取られただけではなく、そこに恋愛が絡むからでしょうか。
たしかに、恋愛感情が深く絡む場合は話しにくくなると思います。誰だって周囲から“あなたにも下心あったんでしょ?”と思われるのは嫌なもの。ロマンス詐欺を入口にした投資詐欺だったとしても、自分が詐欺師に入れ込んで、その結果、金を騙し取られたことをさらけ出さなければならない。私のような第三者に、恥ずかしい過去を告白したくないと考えるのはむしろ当然。そこが取材で一番難しかったところですね。
――男女問わず、被害報告できてないケースも多いのではないかと思うのですが。
その通りですね。誰にも相談できないまま警察を訪れたり、あるいは弁護士に相談するケースも多い。消費者センターに電話しても犯人を捕まえてくれるわけじゃないし、という気持ちもあるのでしょう。ただ、警察や弁護士に相談したところで、海外に住んでいる犯人を捕まえるのは相当難しい。それでも、身近な人に話すこともできないため、藁にも縋る思いで駆け込むようです。
被害者は本当に傷ついてるんです。金銭的な損害はもちろん、自分が信じていたものが完璧に嘘で、最初から騙されていたことを受け入れるのは難しい。さらに、自分が“詐欺師に騙されるような人間”だったと認識すると、それこそ、自分に“欠陥”があるように感じてしまうわけです。だからこそ、自分に近い人には相談できない。親兄弟や親友から「なんでそんなバカなことやったんだ……」と言われたら、自分がより傷つくのは目に見えていますから。
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