血栓を放置すれば「急性心筋梗塞」や「脳梗塞」も…40代で生活習慣病のある人がやっておくべきことは

ドクター新潮 ライフ

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血液の塊「血栓」の悪巧み

「血液サラサラ」といったキャッチフレーズのサプリメント類が、近年人気を博している。効能はさておき、実際、血液や血管の機能に何らかの支障をきたすと、“サラサラ”と快調に流れていた血流が滞り、あるいは立ち止まってしまう。

 高速道路ならさしずめ渋滞ラッシュ。川の土管なら中が泥でいっぱいになり、スムーズな水の流れを食い止めているような危険水域だ。こうなると不慮の接触事故や土管の亀裂、川の氾濫など、さまざまな災難を招くことになる。「血栓」の悪巧みがそうである。

 血栓の生じる主な原因は、糖尿病など生活習慣病による動脈の硬化、静脈血流うっ滞、脱水、不整脈(脈のリズムが不規則になる心房細動による左房内血流うっ滞)だ。東邦大学名誉教授(平成横浜病院総合健診センター)の東丸貴信氏に、血栓ができるメカニズムを解説してもらおう。

「動脈が硬化すると、血管内皮細胞の機能が落ちます。内皮は血液を固まらせないようにしているので、血管内壁上で血液が固まりやすくなります。動脈硬化が進んで、血管内皮下のコラーゲンや脂質成分に接した場合、血小板凝集(血小板同士で集合すること)や血液凝固が急速に進んで血栓ができてしまうのです。血管内腔が狭くなると、より血栓ができやすくなります」(東丸名誉教授、以下同)

 しかも、血栓は腕や下肢(深部静脈血栓症)、心臓(心筋梗塞)、脳(脳卒中)、肺などの血管のほとんど、どこにでも出来る可能性がある。

「初期段階なら命に別状はありませんが、大きな血栓が太い動脈や静脈を詰まらせると、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症の症状が急速進行し、さらに治療に後れをとると、寝たきりや死に至ることもあります」

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