父が語る、“泣き虫”の加藤未唯が失格騒動に打ち勝てた理由 「小さな頃は毎日泣いていた」

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勝利後に送られてきたLINE

 もっぱら親子のやり取りはLINEで行っているが、それもわずかなものらしい。

「娘もプロやから、私からあんまり言わんようにしています。テニスはサッカーやラグビーと違い、試合中に監督やコーチが助言できないルールで、どんな状況になっても自分で考えるしかない。失格の時も次の試合に切り替えろとだけ伝えました。過去に引きずられるな、次がまた来ると言い聞かせてきたので、今回も心配はしませんでした」

 加藤がドイツのティム・プッツと組んだ混合ダブルスで優勝した時は、出張で東京にいたそうだ。

「なるべく早くホテルに着くようにして、部屋のテレビで観戦しました。優勝が決まった瞬間、思わず手を上げて万歳して“おめでとう”って叫びました。LINEで“家族全員で応援してたぞ。よくやった。感動をありがとう”とだけ送ると、“お母さんも、お父さんも、兄も、ありがとう。なんとか勝てた”と返ってきました。短い文面に思われるかもしれませんが、グランドスラム優勝はプロを目指した時点から娘、そして家族の夢でしたから、それだけで十分でした」

 悲劇のヒロインを“テニスの神”は見捨てなかった。

週刊新潮 2023年6月22日号掲載

特集「父が語る 全仏テニス優勝『加藤未唯』 “泣き虫”でも『ボールガール騒動』に打ち克てた理由」より

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