父が語る、“泣き虫”の加藤未唯が失格騒動に打ち勝てた理由 「小さな頃は毎日泣いていた」
勝利後に送られてきたLINE
もっぱら親子のやり取りはLINEで行っているが、それもわずかなものらしい。
「娘もプロやから、私からあんまり言わんようにしています。テニスはサッカーやラグビーと違い、試合中に監督やコーチが助言できないルールで、どんな状況になっても自分で考えるしかない。失格の時も次の試合に切り替えろとだけ伝えました。過去に引きずられるな、次がまた来ると言い聞かせてきたので、今回も心配はしませんでした」
加藤がドイツのティム・プッツと組んだ混合ダブルスで優勝した時は、出張で東京にいたそうだ。
「なるべく早くホテルに着くようにして、部屋のテレビで観戦しました。優勝が決まった瞬間、思わず手を上げて万歳して“おめでとう”って叫びました。LINEで“家族全員で応援してたぞ。よくやった。感動をありがとう”とだけ送ると、“お母さんも、お父さんも、兄も、ありがとう。なんとか勝てた”と返ってきました。短い文面に思われるかもしれませんが、グランドスラム優勝はプロを目指した時点から娘、そして家族の夢でしたから、それだけで十分でした」
悲劇のヒロインを“テニスの神”は見捨てなかった。
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