「普通の子やけえ…」自衛隊銃乱射、容疑者の父が語った胸の内 複雑な家庭環境と、友人に語っていた「海外で銃を撃ちたい」
“ウクライナに派遣されて死んでくるわ”
こうした“里子生活”の最中、「格闘モノ」「戦争モノ」への関心が強くなっていったという。
「高校の図書館に漫画が結構あって、中国の春秋戦国時代を描いた『キングダム』を好んで読んでました。男っぽい漫画が好きで『刃牙』も読んでたな」
さらには、
「戦争についてもよく学んでいました。アマゾンプライムでモノクロの戦争ドキュメンタリーのような映画を観ては“お前も観ろよ”と僕に薦めてくることがありました。高校の終盤になるとウクライナで戦争が始まって、“あそこ(ウクライナ)に派遣されて死んでくるわ”と冗談も口にしていましたよ」
ゲームの趣味も戦争色が濃くなっていった。
「彼は本当にゲームが好きで、プレイステーションみたいな家庭用ゲーム機のゲームだけでなく、PCでやるようなタイプのものも含めてひと通りのFPS(一人称視点のシューティングゲーム)をやってました」
やがて、Aは現実世界においても銃と戦争を志向するようになる。
「“海外に行ったら銃にさわれる。だから撃ってみたいよね”なんて話もしていましたね」(同)
そのためかどうか、海外で自衛隊員として活動する夢を実際に語るようになったのだという。高校時代の先の友人が明かす。
「彼は高校3年生に上がるくらいのタイミングで自衛隊の入隊試験対策の勉強を始めて、放課後などに冊子を使って勉強していましたね。1日何時間かは必ず勉強していて、冊子を見せてもらったんですけど、重要なところにメモ書きもちゃんとしていました。自衛隊に入るモチベーションは高かったと思います。面接対策などいろいろやっていると聞きました」
Aが念願をかなえて自衛隊に職を得たことに、実父の喜びはひとしおだった。実父の勤務先である岐阜市内の運送業者の関係者が言う。
「“息子がこの春から自衛隊に入る”と話した時は、とてもうれしそうでしたよ。入隊の際にも、わざわざ息子を送り届けたようです」
「普通の子やけえ……」
Aの弟にあたる三男は取材に対し、
「起きてしまった事件なんで。なんと言ったらいいんでしょうかね、悲しいというか、現実味がないっていうか」
つとめて平静にそう言う。
一方で父親は、マスコミへの憤りや不信を口にしつつも、「普通の子やけえ……」と、肉親としての心情ものぞかせた。
いかに複雑な家庭環境だったとしても、Aのやったことは決して許されるものではなく、動機その他、事件の全容解明は急務だろう。6月22日発売の「週刊新潮」では、その素顔について詳報する。