大相撲支度部屋に「女性記者」解禁を検討 禁止になった理由と今後の動向は?

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 世の中は何かと「男女平等」の流れ。スポーツ界最後のサンクチュアリといわれる角界にもそのうねりが押し寄せていた。支度部屋での取材を、女性記者にも開放しようという動きが進行中。しかし、そこは着替えの現場でもあり……。

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「コロナ禍で禁止されていた大相撲の支度部屋での取材が、7月の名古屋場所から復活になりそうです」

 とは、さるスポーツ紙のデスクである。

 支度部屋とは力士の控室のこと。力士は取組前にここで回しを締めて土俵に向かい、取組後にひとっ風呂浴びて帰途につく。対戦前後のリアルな声を聞くことができるため、記者にとっては格好の取材場所だった。

「コロナ感染拡大後、ここでの取材は禁止されました。が、先の夏場所では大関・横綱に限って解禁され、この名古屋場所からは全面的に元に戻す流れが決まりつつある」

 と、ここまではまあウエルカムな動きである。

 一方で、

「それと同時に、これまで禁じられてきた女性記者の入室もOKにしようという話も進んでいまして……」

 これに一部の力士から反対論が出ているという。

脱衣所と同じ

 どういうことか。

「古くは女性記者も支度部屋での取材が認められていましてね」

 と御年79、東京相撲記者クラブ会友の大見信昭氏が言う。

「男勝りの名物女性記者などは堂々と入っていましたね。でも30~40年前だったかな、力士サイドから“女性が入ってきては困る”とクレームが入り、それ以来、本場所では入室禁止になってしまったんです」

 なぜか。

「力士は回しをつける際、素っ裸になる。付け人の手を借りて下半身をバスタオルで覆う力士もいますが、面倒くさいからと裸のままで行う力士もいます」

 取組後も、

「力士は奥にある風呂に入りますが、そこから上がるとタオル一枚で座敷に座り、パンツをはきます」

 そうした際に、当然“見えて”しまうこともしばしばあるらしい。

「私も何度もご開陳にあったことがあります」

 とは相撲取材歴の長いカメラマン。

「特に下っ端の力士は自分の取組が終わると上位力士の世話をしないといけない。忙しくてタオルを巻いて着替える暇などありません」

 たとえるなら銭湯の脱衣所と同じだというのだ。

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