「巨人」6月好調も“投手陣”立て直しに苦慮 シーズン中盤に異例の「新外国人」獲得へ

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「投」の光はエースと若手中継ぎだけ

 一方で、わずかながら投手陣にも「光」は垣間見える。菅野に代わり投手陣を引っ張る若き新エースの戸郷は、防御率2.45で完封勝利も含むリーグトップの8勝。WBCで積んだ国際大会の経験も好調につなげ、一回り大きくなった姿でファンを魅了している。

 逆に、推定5億円の高年俸にもかかわらず、開幕から負傷で二軍調整が続いていた菅野。伯父でもある原辰徳監督からは6月上旬に、「時間は十分にあげている。会社で休みを取るのは何ていうんだっけ? 有休か。有休の時間はもうとっくにすぎているんじゃない?」と皮肉たっぷりにいじられていたが、今季初の一軍マウンドとなった6月11日のソフトバンク戦では、粘りのピッチングで5回2失点にまとめ、初勝利を挙げた。その後、18日の楽天戦では2点逆転本塁打を浴びて敗戦投手にはなったものの、6回1失点とまずまずの結果を残した。かつて沢村賞にも輝いた「旧エース」は今後の巻き返しに燃えているはずで、後半戦はある程度の計算が期待できるだろう。

 中継ぎで輝きを見せているのは、菊地大稀投手(24)だ。5月27日の阪神戦以来、6月18日の楽天戦まで9試合連続無失点で、6月は防御率0.00と驚異的な数字をたたき出している。5月の防御率は6.75だっただけに、一転して絶好調を維持。2021年の育成ドラフト6位であることを考えると、若手投手がほとんど一軍で成績を残せていない巨人の中では、十分すぎるほどの活躍といえる。ただ、菊地もまだ5~6月の9試合だけで素晴らしいパフォーマンスをみせているに過ぎず、まだ実績に乏しい中で「中継ぎ陣のエース」として信頼するには厳しい。

南米出身の投手を獲得へ

 巨人ではこのほかに今季は計算できる投手が少なく、二軍からの底上げも期待できないのが実状。そうしたなか、白羽の矢が立ったのが「海外」だった。あるスポーツ紙記者は「投手陣の立て直しは喫緊の課題となり、5月の連休明け頃から、巨人の国際担当の部署が、計算できる新外国人投手をシーズン中に獲得しようと奔走してきたようだ」と明かす。

 シーズン中に外国人選手がメジャーなどから来日するケースはこれまでもあった。ただ、過去のケースでは、開幕前の段階でほぼ入団が決まっていながら、開幕に間に合わなかった選手がほとんど。野手より調整が難しいとされる投手をシーズン中盤以降に獲得するというのは、極めて異例の対応といえる。巨人は既に米国でプレーしている南米出身の選手にターゲットを絞り、近く入団を発表する可能性も取り沙汰されており、各スポーツ紙記者が当該選手の特定に躍起になっているという。

 もちろん、新外国人投手が活躍し、3年ぶりのリーグ優勝につながれば巨人ファンとして嬉しいのは間違いないはずだ。ただ、ファンが本当に見たいのは、二軍でくすぶっているドラフト上位入団の若手投手らが、一軍で躍動する姿ではないだろうか。異例のシーズン中盤以降に獲得する外国人投手への期待は当然として、若手投手らが意地を見せて奮起できるかも注目される。

デイリー新潮編集部

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