「巨人」6月好調も“投手陣”立て直しに苦慮 シーズン中盤に異例の「新外国人」獲得へ
巨人が投手陣の立て直しに苦慮している。6月は6連勝を含めて10勝6敗と好調を維持し、現在のチーム成績は3位と開幕からの失速を取り戻しつつある。だが、チーム防御率はリーグワースト2位の3.73(6月18日現在)。リーグトップの8勝を挙げているエース・戸郷翔征投手(23)の奮闘は目立つものの、先発に中継ぎに、計算できる投手が少ないのが実情で、二軍から台頭してくる若手もほとんどいない。しびれを切らした首脳陣は、シーズン中盤にも関わらず、新たな外国人投手の獲得を目指す異例の対応に乗り出したという。
当初から助っ人頼みの投手陣
今季の巨人は、長年にわたり絶対的エースとして君臨してきた菅野智之投手(33)が負傷で出遅れた上、戸郷がWBCに出場した影響もあり、開幕投手は新外国人のビーディ投手(30)が務めた。開幕当初の先発ローテーションの6人中3人が新助っ人外国人というのも異常事態。
あるスポーツ紙記者は、「開幕投手を新外国人投手に任せるのも、伝統ある巨人軍では異例だ。さらに、計算しづらい新外国人選手をいきなり先発ローテーションに3人も入れるのは、普通はありえない。それだけ若手やベテランを含めて日本人投手陣が不甲斐ないことの表れで、ある巨人OB投手は呆れ果てていた」と明かす。
先発投手が試合を作れずに不安定となると、ブルペンで待機する中継ぎ投手陣に悪影響しかないのは言わずもがなだ。さらに、投手陣が打たれることで試合のリズムが完全に崩れ、守備でストレスのたまる野手陣の打撃も奮わず、まさに投打がかみ合わない状態に陥る。これが今季序盤から続いてきた巨人の姿であり、長年にわたり球界を引っ張ってきた坂本勇人内野手(34)や、丸佳浩外野手(34)らの「実績組」も本来の力を発揮できず、チームは4月に最下位まで落ち込むことになった。
「岡本様々」で好影響、「打」はリーグ2位
とはいえ、低迷するチームのなかでも、主砲の岡本和真内野手(26)が打ちに打ちまくり、目下、ホームランはリーグトップの17本で、打率も3.22と絶好調。守備力に定評のある新人の門脇誠内野手(22)を三塁に抜擢するなど、守備陣の立て直しも功を奏してか、5月中旬以降は安定した戦いぶりをみせ、交流戦では6連勝を果たすなど3位まで順位を上げている。
ある巨人関係者は「本当に“岡本様々”だ。岡本選手は今季、坂本選手から主将を引き継ぎ、自覚も芽生えたのか、打撃に守備に大車輪の活躍をみせている。本心では本職の三塁で3年連続ゴールデングラブ賞を目指したいのだろうが、外野や一塁の守備を任されても全く嫌な顔をせずに懸命に励んでおり、チームの雰囲気に好影響をもたらしている」と目を細める。
岡本選手にばかり頼ってはいられないと、ベテラン陣も遅ればせながら奮起。坂本、丸両選手らが徐々に調子を上げてきており、チーム打率も6月18日現在で2.56とリーグ2位まで伸ばし、リーグワースト2位のチーム防御率とは対照的だ。
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