「立浪退任」でも中日の次期監督は“安泰”のワケ 山本昌、岩瀬両氏にはない「泥船に乗ったコーチ」の適性

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日本ハム戦3連敗、新庄監督と力量差

 セ・リーグ最下位の中日は交流戦でも6勝10敗1分けの不振。6月18日現在で首位阪神とは15ゲーム差。交流戦はあと1試合を残すものの、浮上の兆しがないまま、リーグ戦再開を迎えそうだ。立浪和義監督(53)は今季が3年契約の2年目。一寸先は闇のプロ野球で、記録的な連敗など、今後も低迷を極めれば既定路線とされる来季続投にも暗雲が垂れ込めてくる。しかし、たとえ今季途中で退任となっても、球団は次期監督の人選に頭を悩ますことはなさそうだ。球団OBには山本昌、岩瀬仁紀、井端弘和、福留孝介……、黄金時代を支えた、そうそうたる面々がスタンバイしているが、候補者乱立とはならないとみられている。

 中日は6月18日までの日本ハムとの3連戦(バンテリンドーム)に全て敗れた。日本ハムには昨季同様に3連戦3連敗。ともに昨季のセ、パの最下位チームだが、若手の台頭などで着実に地力を蓄えつつある日本ハムに対し、中日は依然、強化が道半ばである現実を突き付けられた。スポーツメディアによると、立浪監督は試合後に「うまくいけば逆(3連勝)もあるような内容ではあった。まだまだ力不足だなとすごく感じた」と彼我の差を嘆いたのだが……。

 元NPB球団監督は、「力不足」は両監督の力量差に近いと指摘する。

「日本ハムも中日と同じで他球団に比べ、戦力的に劣っているものの、新庄(剛志)監督が采配を駆使し、若手の力を最大限に引き出す野球をしている。“結果が出なければベンチのせい”との方針が明確で、選手は失敗を恐れずにプレーしている」

 一方、中日はというと、「立浪監督の好みで起用が決まっている。若手中心に使うことで、(育成重視で)勝てないことへ言い訳にしているように見える。2軍にいる堂上(直倫)や福田(永将=6月15日に1軍昇格)らベテランは腐っていた。2軍の一部には“結果を残したとしても、どうせ1軍には上げないんだろ?”という空気が蔓延している。京田(陽太=DeNA)や阿部(寿樹=楽天)をトレードしたのも結局は好き嫌いでしかなかった。選手は監督の奥底にあるものを、よく見ていて士気が上がらなくなっている」(球団関係者)

“泥船”に乗らなかった宮本氏と、乗った和田氏

 遡れば、立浪監督は就任当初から苦戦が予想されていた。

「こうなることを宮本(慎也)などは見抜いていたと思う。そうでなければ、古巣(ヤクルト)を敵に回すことに抵抗感があったとしても、上下関係が厳しいPL(学園高)の先輩からの、たってのヘッドコーチ就任要請なら断れなかったはず。戦力と立浪監督の適性を冷静に判断し、泥船には乗りたくないと思ったのではないか」(元監督)

 そんな“泥船”に昨オフ、乗り込んだコーチがいた。選手時代以来、8年ぶりに中日復帰した和田一浩打撃コーチ(51)である。

 西武に捕手でプロ入りした後に外野手に転向し、レギュラーに定着。フリーエージェント(FA)で移籍した中日で、遅咲きの野球人生ながらも通算2000安打に到達した。

「出身は岐阜で、中日とはFA入団時から地縁があった。(元監督の)高木(守道)さんしかり、根尾昂しかり、岐阜出身の選手は重宝される。プロ入りは西武でも中日でユニホームを脱いだ。中日では生え抜き選手と同様の扱い」(前出の球団関係者)

 しかも、同関係者によると、和田氏のコーチ就任は「次期監督含み」であるという。

「高木さんの監督就任時もそうだったが、昔から中日新聞の販売店を中心に岐阜出身の監督を待望する声は根強い。和田には同様の期待がある。根尾を見てもそうだが、いまだに岐阜重視の考えが球団にあることは明らか」

 和田コーチの指導者としての評価は上々だ。何と言っても昨オフ、現役ドラフトで指名した細川成也を一本立ちさせた。低迷するチームでは数少ない明るい話題になっている。

「細川はDeNA時代から飛ばすことには定評があったが、確実性に難があった。それが和田コーチの指導で、中軸を任せられるまでになった。出身地の強みのほかに、名球会入りした選手時代の実績と格、指導者としての可能性を兼ね備え、次期監督候補の最右翼であることは間違いない」(同前)

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