三浦瑠麗氏に勝訴した「テレ朝・社員弁護士」が法廷闘争記を出版 「不倫された側が足掻く姿を正直に書きました」
自分の尊厳をかけた闘争の記録を残したかった
声をかけられたのが4月初旬。それからわずか10日で第一稿を書き上げた。さらに編集者の意見を聞き入れながら2週間かけて加筆修正して脱稿。“寝取られた男”のプライドをかけた戦いを、西脇氏はゴーストライターの力に頼らず自ら書き下ろした。
「世の中には不倫した側の話はよく記事にされていますが、不倫されちゃった側の話はあまり表に出てきません。でも、私が経験したように、されちゃった方は絶望的な苦しみを強いられながら乗り越えていかないといけないのです。三浦さんのツイートは容赦なく私のプライバシーを晒すものでしたし、裁判では『原告はサラリーマンに過ぎない』などと見下すような表現を用いて私を攻撃してきました。自分の尊厳をかけて戦い抜いたこの闘いをちゃんと形に残したかった」
本を書きながら、かつてアナウンサーとして「ニュースステーション」などで伝える仕事をしていた頃を思い返したという。
「私が読み上げていたニュース原稿は大きな事件ばかりでしたが、実際、世の中ではこのような小さな軋轢が多く存在し、苦しんでいる人が大勢いることを身をもって痛感しました。一番難しかったのは、専門用語が飛び交う法廷闘争をわかりやすく伝えることでした。最初は教科書的に一から裁判の流れを説明しすぎてしまったのですが、何度も読み直し、無駄な箇所を削った。ニュースステーションで働いていた頃、番組責任者から『文字数を使ってニュースを解らせることは誰にでもできる。いかに文字を絞って伝えるかがこの仕事の見せどころ』と教育されたことを思い出しながらの作業でした」
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