企業の生き血を啜る「オアシス」に牛耳られたエレベーター大手「フジテック」 創業家の雪辱なるか

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公私混同

 大手エレベーターメーカーの「フジテック」は、在香港のヘッジファンド「オアシス・マネジメント」に16.52%に及ぶ株を買い占められた。挙げ句、創業家出身の内山高一(たかかず)元会長(71)が放逐され、フジテックの取締役会は物言う株主に牛耳られた状態である。しかし、内山元会長に座して死を待つつもりなどない。6月21日に控えたフジテック株主総会を見据え、反撃を開始したのだ。

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「オアシスは企業の生き血を啜るヒルのようなアクティビストです」

 そう主張する内山元会長は、まず、約10%を保有する大株主として、「日興コーディアル証券」元会長ら8人の社外取締役選任を株主提案。さらに、事実無根の誹謗中傷を受けたとして、オアシスを相手に15億4000万円の損害賠償請求訴訟を起こした。

 そもそも、オアシスがフジテックに狙いを定めたのは昨春のこと。株を買い進めると同時に、「フジテックを守るために」というサイトで、内山元会長の公私混同ぶりをあげつらうネガティブキャンペーンを展開。その作戦が功を奏し、昨年6月開催の株主総会で、内山元会長の取締役再任議案の提出が見送られたのだ。

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