「ガーシーの逃げ得は許さない」 警察の執念がカギを握る今後のシナリオ

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逃げ得は許さない

 6月4日、俳優・綾野剛らへの暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)などの疑いで警視庁から逮捕状が出ていた元参院議員のガーシー(東谷義和)容疑者がUAE(アラブ首長国連邦)から帰国し、逮捕された。これまでの経緯をおさらいしながら、今後、想定されるシナリオを見ていこう。

 警察当局から再三、帰国を促されてきたもののそれを“スルー”してきたガーシー容疑者。3月に参院から除名されて議員資格を失うと、その翌日には指名手配された。

 その後は「日本に一生帰国しない覚悟ができた」とUAEのドバイから“宣戦布告”するガーシー容疑者に対して、警察は同容疑者の国際指名手配に動き、外務省を通じて旅券返納命令を出すに至った。

「その間、SNSのアカウントは凍結されましたが、自身のオンラインサロンで会員と繋がり、収益を得ていたとされています。ただし、その更新も4月末からストップしていました。ちょうどそのころ、警察当局は捜査員を現地に派遣し、UAEとの交渉を進めていました。警察庁トップの長官以下、“逃げ得は許さない”と公言していた通り、あの手この手でガーシー容疑者を帰国させるべく手を打っていました」

 と、社会部デスク。

別の容疑でも立件

「当初から警察当局は楽観していないものの、そう遠くないうちに帰国させることができそうだというスタンスでしたね。身柄を拘束されることを恐れるガーシー容疑者が自発的に帰国することはないと見て、強制的に国外退去を促せないか、UAE側への説得工作がうまく行きそうだと見ていたフシがありますね」(同)

 ガーシー容疑者に出ていた逮捕状の容疑は、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)、名誉毀損、威力業務妨害、強要だとされる。

「常習的脅迫での起訴を見据えつつ、BTSに会わせてやるとウソをついて女性らから多額の金銭を搾取していた詐欺容疑でも立件を目指しているようです。被害者との間で示談が成立したとのことでしたが、詐欺罪は非親告罪(被害者の告訴がなくても起訴して刑事裁判にできる犯罪)ですから、示談は関係ない。ただ、示談が済んでいれば警察も深追いしない案件が少なくない中で、あえて捜査を進めるのは、やはり彼が国会議員の身分だったということが大きいようです。国民に範を示すべき立場の人物がそれを完全に裏切るような振る舞いをしたことを重く見ているというわけです」(同)

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