コスモ石油から「納税していない」と批判された村上ファンド なぜ儲かっているのに法人税がゼロ?
無税のカラクリ
税理士が解説する。
「村上側が利用しているのは“みなし配当”という制度です。企業の株を買うと、配当金が支払われるのはご存じでしょう。ところが、会社側がTOBによる自社株買いを行って、株主がこれに応じた場合、配当金が入ってこなくなる。この、支払われなかった配当金を“みなし配当”と呼び、株式売却益から控除できるのです。みなし配当が株式売却益より多い場合、税金はゼロになります」
この節税はもちろん合法なのだが、批判したコスモ石油に聞くと、
「シティらが税務メリットに強い拘りを持っていることは明らかであり、弊社においても3分の1以上の保有比率まで買い増しを行う蓋然性が高いことの証左の一つであると考えております」(広報担当者)
一方のシティ社は締め切りまでに回答はなかった。ちなみに“みなし配当”を利用しなかった場合、シティ社が払う税金は約196億円である。