コスモ石油から「納税していない」と批判された村上ファンド なぜ儲かっているのに法人税がゼロ?

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 今年も株主総会の季節がやって来た。注目はアクティビスト(物言う株主)の動きだ。石油元売り第3位のコスモエネルギーホールディングス(以下コスモ石油)もターゲットにされている一社で、攻めているのは、村上世彰氏率いる旧村上ファンド系のグループである。

 経済部のデスクによると、

「村上側がコスモ石油株を追加取得したのは昨年の4月。中心となったのはシティインデックスイレブンス(以下シティ社)という会社で、保有率は目下約20%。村上側はコスモ石油に、製油所の統廃合や余剰資本の全額還元などを求めましたが会社はこれを拒否。すると、今度はさらに買い増すと通告してきた。これに対しコスモ石油は村上側以外の株主に新株予約権の無償割り当てをする買収防衛策を6月22日の株主総会で提案することになりました」

儲かっているのに法人税はゼロ

 コスモ石油が強烈な不信感を抱いている理由は、同社が6月2日に公表した〈招集ご通知 補足資料〉を見れば明らかだ。その10ページ目には村上ファンド関係者がどんな買い占めをしてきたかが書かれ、欄外にはこうある。

〈シティインデックスイレブンスの決算公告によれば、直近5期における「法人税、住民税及び事業税」は一貫して0円であり、自社株TOB等による税務メリットを極限まで享受していることが窺われる〉

 たしかに官報を見ると、シティ社は2020年から合計で846億円もの税引前純利益を上げているが法人税などは一貫してゼロ。しこたま儲かっているのに無税なんて可能なのだろうか。

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